本書は人物のエピソードが主であり気軽に読める本である一方、高校〜大学教養の物理の要点を把握できる良書だと思います。
<br /> また「物理が好きでたまらない」という著者の意気込みも伝わってきます。日本の理科離れ対策では子供向けの理科教室ばかりに重点がおかれていますが、その前に大人が本書のような本を読んで科学・技術の仕事を面白いものにすることが必要では、と感じました。
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私が。小・中学生の頃にこの本を読んでいたら、間違いなく理科の世界に進んでいただろうと思わせる感動の1冊。米沢先生の話し方が実にいい。ベストセラーにはならないかもしれないが、若い人に長く読まれて欲しい名著である。
本書には必要以上に難しい数式や法則は出てこない。
<br /> ひたすら歴史上の著名な物理学者の体験を通じて、学説や理論の発見に関するエピソードを展開している。
<br /> 彼らは偉大な学者で会ったのはまちがいないが、悩みもするし失敗もした。そんな彼らを通じて、本書によって必要かつ十分な物理学の知識や教養を得ることができる。
<br /> むしろ本質的な意味での科学的な発見や進歩の意義についてより深く理解できるかもしれない。