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ディズニーランドの経済学 ( 粟田 房穂 高成田 享 )

 1940・1948年生まれの二人の朝日新聞の経済記者が、「感受性を駆使して」1984年に書き、1987年に加筆・文庫化した250頁程の本。1983年に開園した東京ディズニーランドは、外界と完全に遮断された異空間(米国風の居心地の良い夢の世界)を創り上げるべく、大掛かりな仕掛け(地下道など)と徹底してマニュアル化された演出(ただし陳腐化は回避)を用意した結果、幅広い世代の支持を集め、成功を収めた。著者たちによれば、その背景には日本の消費社会化=ソフト経済社会化(重厚長大から軽小短薄へ)があり、また「祭」のあり方の変質(商品化・ファッション化・まちづくりとの統合)があったという。40年代生まれの著者たちは、こうした社会変化とそれに対応したディズニーランドのあり方に対して、一定の違和感をも隠さない。地元との関係、オリエンタル社の経営内容、スポンサー企業との関係についても、データを明示して分析されている。読みやすく、また興味深い指摘が多々あり、『吉野家の経済学』と並んでお薦め。 <br /> <br />

本書は1987年に書かれた本であるが、現在もいまだディズニーランド(ディズニーリゾート)は一人勝ちを続けており、他を圧倒している。<br>なぜ、ディズニーランドがこれだけ強いのか、いろいろな視点で分析している。当初は、アメリカ式のサービスであるディズニーランドは日本では成功しないのでは、という声もあったが、実際は大成功である。実は日本人はこのようなサービスに飢えていたのかもしれない。<br>また、キャスト(従業員)の質が高い理由も触れている。質の高さの理由は、本書でも書かれているが、非常に洗練されたマニュアルとキャストをも魔法の世界に引き込んでモチベーションを挙げていることだろう。<br>そういう私もキャストとして、ディズニーマジックに引っかかってしまった一人である。

ディズニーランドを作る為に海を埋め立てた訳じゃなかったことや、ディズニーランドの売り上げだけでは借金を返せないどころか赤字だったということ、それまでの遊園地では考えられない東京ディズニーランドの一日の入園者数や、入園者が使う一人あたりの支出額などなど、1987年に書かれた本だから、まだ計画段階だった話もあるけど、事細かに書かれてあるので勉強になりました!

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