本書のタイトルは「実戦・日本語の作文技術」となっていますが、”作文技術”について書かれているのは前半部分のみです。
<br />さらに、前著「日本語の作文技術」とかぶっている箇所を除いての、”実戦”的な作文技術はその半分程度となってしまいます。
<br />したがって、”作文技術”のみを読みたいのであれば、前著で十分だと思います。
<br />ただし、”実践”的な所では、裁判の判例文などの欠点分析をおこなった上で、原則に基づいて直していく過程があり、実際に文章を書くときに役に立つと思います。
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<br />また本書後半部分には、日本語と外国語、標準語と方言、日本語の教育について書かれており、”日本語”を考えさせれれる内容でした。
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私は前著を読んでいないので、前著だけで十分とする立場の人から見れば、そうなのかもしれません。しかしこの本だけ独立で読んでも、この本が述べている事柄は重要であるとすぐに分かります。わかりにくい文章は「テン(読点)の打ち方」によるところが多く、その事を常々実感していました。この本は主に「テンの打ち方」を教えてくれる指導書となっており、目から鱗が落ちました。<br> そういった意味では、分かりやすい文章を書きたい人、テンの打ち方が分からない人にとって必読の書です。<br> 分かりやすい文章を書くための本としては、成川式文章の書き方(PHP研究所)等もありますが、ややつめが甘く、特に「テンの打ち方」に関しては本多氏の分析の方が勝っていると思います。
本多勝一と言えば、あの悪名高き「中国の旅」です。あの本が日本の読者に与えた悪影響は甚大です。中国政府のプロパガンダの為に用意した中国人民に語らせて、そっくりそのまま記録として本にするのですからジャーナリスト失格だと言わざるを得ませ<p>ん。しかも当時の関係者達が結束をして記事の誤りを朝日新聞や本多氏に申し入れしたところ、朝日新聞は誤報を認めるような言があったようですが、本人は「中国側の言ったことをそのまま書いただけだ!抗議するなら中国にしろ!」と居直ったそうで<p>す。あの本は大層売れたそうですから、本書も「何が何でも作文で金儲けをしたい」「自分さえ良ければ他人はどうでもいい」「大衆を騙してでも有名になりたい」といった欲望を持つ人は参考に読まれてはどうで�!��ょう。