村上春樹氏が、期間限定で開設していたWebページ「村上朝日堂」に寄せられたファンからの質問に対して、本人がメール返信したものを編集した書籍。「羊をめぐる冒険の十二滝村のモデルは?」のような普通な質問から、アイロンの上手なかけ方のような質問まで、茶目っけと誠実さたっぷりに回答している。正直、村上春樹ファン以外は、読むようなものではないとは思うが、軽いやり取りは十分面白いではないだろうか。
個人的には、「なんでそんなことまで」っていうような、くだらないけど、実はわたしも聞いてみたかったという質問が多かった前回(赤い版)のほうが好きですが、今回も村上さんの答えやその裏にあるやさしさに感動することしきりでした。これは下手な自己啓発本よりずっと人生の役に立ちますよ。
「そうだ、村上さんに聞いてみよう」の青い版。
<br />(むこうが赤本ならこちらは青本でしょうか)
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<br /> ※「何だか前に読んだことがあるような・・・」と思ったら、巻末に
<br /> 「本書は村上朝日堂ホームページの全容を収録した
<br /> 『CD−ROM版村上朝日堂 夢のサーフシティー』、
<br /> 『CD−ROM版村上朝日堂 スメルジャコフ対織田信長家臣団』
<br /> の「読者&村上春樹フォーラム」を収録し、
<br /> CD−ROMから一部を抜粋したものです」
<br /> とありました。
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<br />この本にはCD−ROMはついていませんが、新たに
<br />韓国と台湾の読者の方からの質問のお返事も併録されているので、
<br />単なる抜粋の組み合わせで終っているわけではありません。
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<br />質問もお返事も、クォリティのようなものを感じます。
<br />また、他人の質疑応答なのに、何となく励まされたりします。
<br />気軽に手にとって、結構熟読してしまう本です。