2006年5月に経団連の会長に就任された御手洗氏の所信表明演説的な親書。
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<br />日本を「希望の国」したい。
<br />そのために日本はいろいろな意味で「強い国」にならなければならず、
<br />財界の視点から政治・教育・社会福祉・家庭さらに人の問題点を鋭く指摘した後に、
<br />全体最適のために何を捨てて何を残し、それをどう変えていくべきかを
<br />キヤノン時代のエピソードを交えて語っています。
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<br />企業不祥事の原因を成果主義にしたりやニートの発生原因を教育現場に持って行ったりと
<br />若い私の立場から反論したい箇所もありますが、おおむね納得できる主張が終始一貫しており、
<br />読了後は安心感を得ることができました。
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<br />ビジネスパーソンであれば、必読だと思います。
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新経団連会長となった御手洗富士夫さんが、「強いニッポン」を宣言する本です。彼の言う「希望の国」、これは「国民が豊かで幸せな暮らしを送ることができ、国際的にも尊敬され親しまれる国」です。
<br />そのためには「強い日本」にならなければなりません。特に人の重要性を説きます。変身は前進、ブランド力、製造業こそ屋台骨、人生は2ラウンド制、卑怯を憎む武士道の復活を、グローバルな世界で通用する国際人たれ、国家観の重要性、「自制心」の醸成、「公正」「公平」、団塊の力、少子化問題、道州制、リーダーの条件、そして愛国心など、示唆にとんだ提言を豊富に盛り込んだ、御手洗ズムとでも言える強い意志が伝わります。
<br />日本に必要な「自信と勇気と謙虚さ」。まだまだ日本はこれからだ、と思わせてくれる良書。一気呵成に読まれることをお薦めします。