お笑いでお馴染みの南海キャンディーズの山ちゃんの自叙伝。
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<br />自分は天才でないが、その上でどう生きていくかということが描かれている。
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<br />生きていく上で自分の中で上手くいっている時と、いっていない時を非常によく、そして冷静に分析している。そのなかで、いい状態を保つ事に関しても努力はみられますが、それ以上に如何にして悪い時を乗り越えるかということに関してよく考えた人なのだということが伝わってきた。
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<br />印象に残った一説として次の様なものがある。
<br />「何か一つ自信が持てるものさえあれば、他のマイナスの要素をプラスに転じさせることができる。だからその自信の持てる一つを作るためにはひたすらにがんばったほうがいい。がんばるものを見つけたとき、それがもたらす効果は自分の思うより以上に絶大だった。」
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<br />その他にもこの人独特の表現が各所に散りばめられており、飽きることなく最後まで読みきることが出来た。抽象的な論理に終始するわけでもなく、単に自虐ネタや笑い話などを連ねているだけではなく、両方が新鮮な割合で入っている本。お笑い芸人が新書?と思いましたが、侮れないと思います。
「僕はおもしろくない。」この言葉は一昔前のお笑い界ではあり得ない言葉だと思う。それだけお笑いの世界は変化をしたのだと感じた。
<br />山里亮太という人物にはそれだけカリスマ性というものがない。むしろ小心者であり軟弱者だ。しかし、彼はそれを容認し、ネガティブ
<br />と向き合い、毎日を生き抜いている。何がしたい?ではなく、何をすべきか?と自分に問い、自己実現に向かって歩んでいる。メンタルに
<br />問題を抱えつつ、努力家な一面も持つ彼は、庶民性にあふれており、とても魅力的に感じられた。ファンではないが、エールを送りたい。
<br />それだけのものをもらった感じがしてしまいました。
南海キャンディーズ山ちゃんの今に至るまでの自伝.
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<br /> 「お笑い」を目指すと言う志と,その為に大阪に出て来てからの様々なエピソード.ガチンコ,M-1,コンビの解散と再結成等の幾多もの困難をくぐり抜けて,見つけ出してきた新たな発見や自分の心の内を,思わず吹き出したくなる様な文章も交えながら,ありのまま自然に書かれています.それら絶頂と挫折,困難とその克服.悩みながら夢のため歩んで来た事が,今の南海キャンディーズでのスタンス,自分たちのスタイルを生み出した事も.
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<br /> 読み終わった後の爽快感もさることながら,これからの南海キャンディーズの活躍が楽しみで待ち遠しくなる一冊でもあります.