今、読んでも大変心温まる絵本ですが、ここでは子供に買い与える方のために、私が小学校中学年のときに読んだ印象を。
<br />当時、比較的早熟だった私は、サンタクロースがいないことは知っていました。しかし、おとぎ話やファンタジーの世界をすべて否定するほど強くない、そんな私にとってこの絵本はお気に入りでした。大人の温かい嘘と誠実さ、筆者の子供に対する優しい視線になんともいえないぬくもりを感じ取っていたのだと思います。
<br />大人世界に反発を覚え始めたプレ反抗期の子供や、まだ純粋にサンタクロースを信じている子には、この本は向かないかもしれませんが、幼児期を抜け、外の世界や現実と虚構の断絶を知りとまどっている子供たちには、温かい贈り物になると信じています。
子どもの頃、サンタさんを信じていましたか?いつまで信じていましたか?
<br />私は小学校2年生まで信じていました。翌年のクリスマスの前、
<br />「サンタはお母さんとお父さんだから本当はいないんだよ。」といきなり言われて、
<br />ショックを受けると言うより、「やっぱり」と思った自分を思い出しました。
<br />子どもの頃にこの本に出逢いたかったです。
<br />目に見えないなにかを信じる。そういう心を取り戻してくれる本です。
<br />そして、「サンタっているんじゃない?」と思いました。
<br />子ども、大切な人への贈り物として最適だと思います。
<br />こんな世の中でも、子ども達には、この本のように、素敵な気持ちを
<br />いつまでも持ち続けられる大人になって欲しいですね。
<br />信じる心。実は素敵な事なんだと気付かせてくれます。
<br />一度失ったサンタへの思いをもう一度感じてみて下さい★
「サンタクロースも、妖精も、魔法使いも、いやしないんだ。」
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<br />そんなふうにこの世界を悟り始めたお子さんがいれば、ぜひ読んでほしい。
<br />子どもだけでなく、
<br />おとぎ話なんて思い出すことさえできないような大人にも読んでほしい。
<br />この本を読んで、何も感じない人がいたとしたら、
<br />きっとその人の人生は輝きのないものだろう。
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<br />今でもこの絵本を読むと、涙がでる。
<br />乾いた心の奥にまで染み込んでくる文章のあたたかさ。
<br />100年前のこの新聞記者に感謝を伝えたい。
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