人がどんなに声を荒げても、政府がどんな法律を作っても、
<br />人ひとりひとりが自分で納得する答えを持たなければ“問題”は本当の解決を迎えないのだと思います。
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<br />この絵本は大学の教授が「道徳教育」についての授業中に勧めていた本でした。
<br />絵本というのは文章が少ない分、思考力をこんなにもたくさん使うのか、読んでいて自分でも驚かされます。
<br />この本を読んだ子どもたちがどのように感じるのか、どのような答えを持って、自らの意思を持って行動するのか。
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<br />小学校低学年からという年齢は決して低くなく、むしろこの年代からの子どもたちの意識が大切なのだと思います。
<br />是非、多くの小学生に読んで欲しい内容だと私は思います。
私はこの本で絵本というものの表現力の偉大さを改めて認識した。
<br />いじめられる少女の孤独と痛み、その家族の悲しみと絶望、そして、崩壊していく日常と果てなく続く悪夢。
<br />味戸ケイコさんの絵には読者の心に衝撃を与え過ぎないような心遣いを感じながらも、その情景は深く恐ろしく迫ってくる。そして、これが想像や夢の話ではなく、現実のことであることを思い出した時、やっと、ことの重大さを理解した。
<br />著者の松谷みよ子さんもいじめられた経験を持ち、その地獄のような苦しみを理解しているという。一見平易な文章の中にそれが見えるような気もする。
<br />私がそうであるが、自分を保つために、罪の意識もなくいじめに加わった人にまず読んで欲しいと思う。
絵本だから簡単に読めたけど、内容は決して簡単なものではない。
<br />むしろ、重たすぎるくらい重い内容です。
<br />短い文章に隠された想い・・・絵から読み取れる「いもうと」の心。
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<br />結局、いじめにあった「いもうと」は死を選びます。
<br />「いじめた人たちは自分のことなんて忘れてしまったのだろう。もっと遊びたかったのに・・・
<br />もっと勉強したかったのに・・・」最後のページにあったこの遺書に私は涙しました。
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<br />絵本だからといって侮ることはできません。
<br />おそらく、文章以上に多くを語れるものは、絵本意外にはないだろう。
<br />私は、この本を、もっともっと多くの人に読んで欲しいと願っています。
<br />そして自分に出来ることは何か?命を大切にするとはどういうことか?生きるとは・・・?
<br />このように問題提起をしてよく考えてみてほしいと思います。
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