羊飼いの少年は、夢に見た宝を探しに、すべてを捨て旅に出る。
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<br />今、私がここにいるのはこの本のおかげだと思う。運命を求めれば、周りのすべてが不思議と味方してくれる、そんな経験を私もしたことがある。それが前兆、ということなんだろうと思う。人生の端境期にこの本とであったのも、何かの前兆だったのだろう。
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<br />運命というと、始めからもう決められてしまっているように感じるけれど、そうではない。もし、それを見つけようとしなければ、それが運命だったと気付かないままに過ぎてしまうのだと思う。運命とは、自分で切り開かなければ得られないものであり、自分らしく生きることを教えてくれる本。
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<br />パウロ・コエーリョさんの作品は、他にも3冊ほど読んだが、一番分かりやすく書かれていると思う。中高生にも読んでもらいたいような内容。
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<br />ファンタジーでありながらも哲学的。決して宗教的だったり説教くさくなく、すんなりとうけいれられる。この本名前では、並みの生き方本や、涙々のお話は色あせてしまうと思う!
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<br />私にとっては人生最良の一冊。
「少年の名はサンチャゴといった。少年が羊の群れを連れて見捨てられた教会に着いたのは、あたりがもう薄暗くなり始める頃だった。教会の屋根はずっと昔に朽ち果て、かつて祭壇だった場所には、1本の大きないちじくの木が生えていた」この冒頭の部分は、最後に大きな意味を持つ。
<br /> アンダルシアのサンチャゴは、夢を信じ、羊を売り、宝物を求め、前兆に従い、エジプトへの旅を始める。旅の途中で、少年は様々な智慧と勇気を得て、人生を歩んでいく。
<br /> 信仰を持つ私にとっては馴染みのある深い教え―すべてのものは宇宙と一体である―が、わずか190ページほどの短い物語の中で、さまざまな言葉となって心に響く。
<br /> また、心がサンチャゴに語る。「人は自分の大切な夢を追求するのがこわいのです。自分はそれに値しないと感じているか、自分はそれを達成できないと感じているからです」
<br /> 旅の最後にあった錬金術師は言う。「傷つくのを恐れることは実際に傷つくよりもつらいものだ」
<br /> 深く、落ち着いた満足感を覚える小さな本です。
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主人公の少年、サンチャゴに自分を重ね合わせ
<br />彼と共に旅をし、時に失望し、時に希望に胸をときめかせ
<br />時に迷い、時に力強く歩を進め、共に気づきという成長を深められたことを
<br />読後じんわりと嬉しく、どこか懐かしく思った。
<br />特に彼が太陽と語った愛についてのくだりがココロに響いた。
<br />単なるオトナのファンタジー小説とはいえない
<br />「星の王子様」以来の、読むたびにワタシのココロの鏡となって
<br />様々な表情をみせてくれる物語に出会えたことをとても嬉しく思った。
<br />これからもサンチャゴとともに終わりなき旅を続けるのでしょう。
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