ヴァチカンに徹底的打撃を加えようと,次期教皇候補の4人が狙われる中巻。突然事件に巻き込まれたロバート・ラングドン教授は,ダ・ヴィンチの暗号ではなくベルニーニの啓示を解きほぐしつつ真相に迫る。
<br /> 毎回あと一歩のところで暗殺を許してしまう主人公たち。人物描写,情景描写が素晴らしく,テンポの良い映画を観ているよう。
<br /> そろそろ陰謀の首謀者が気になってくるが,まだ明らかには描かれない。4度の殺人が行われる場所はローマ観光に外せない所ばかりで,その設定が心憎い。
すでにこの作品も映画化が決定したとか?そうなれば多少殺人の場面は
<br />生々しいですが、ローマを満喫できるかも?とわずかな期待してしまい
<br />ます。
<br />この巻では犯人がBBCに声明を送ったことで、ヴァチカンはマスコミとの
<br />追っかけにも悩まされ、大きく事態が悪化し行きます。上巻はまだ科学の
<br />説明が多くて悩まされますが、この巻から現実味をあびてきます。
<br />一気に読んでしまいました。
『ダ・ヴィンチ・コード』で知られるダン・ブラウンの"ロバート・ラングドン"シリーズ、第一作『天使と悪魔』の中巻。ヴァチカンの何処かで時を刻み爆発の時を待つ反物質への鍵は、秘密結社イルミナティの残した秘密の道を辿る。ガリレオの機密書から始まるローマに残されたイルミナティの道の先々で起こる殺人事件、その真犯人と陰の首謀者の存在とその目的は如何に。次々と登場するイルミナティの残した伝説のアンビグラムと、ローマに広がる啓示の道。『ダ・ヴィンチ・コード』と一味違った壮大な歴史的象徴を巡るラングドン達と、コンクラーベが封切られたヴァチカンと、それぞれの時間が刻々と過ぎて行く中で、浮かび上がって来た答えとは。
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<br /> 中盤、話の展開が非常にリズミカルかつ明快で、非常に読み易い。次々と明らかになるローマの秘密と、危機に陥るラングドン。事件はメディアを巻き込んで世界中にその混乱を広げ始める。序盤の展開が四方八方に広がって、物語の規模や主題も次第に大きくなって行く。
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<br /> 『ダ・ヴィンチ・コード』に比べると、歴史的・宗教的な色は薄いが、却って親しみやすい小説となっている。特に序盤の上巻は、含みを持たせる場面が多く、結末が待ち遠しい。『ダ・ヴィンチ』では様々な場面に飛火しがちな展開もあったが、この作品は主軸がある程度はっきりしており、話が不用意には途切れない点も統一感がある。