意図的な情報操作はかの国が得意としているところ。嘘を本当に思わせ、そらすことを国家的プロジェクトで行えるのだろう。もしかしたらこの小説もその一端かもしれない。何でもありの国の何でもないことなのかもしれないと思えてきた。
映画のような編集技法は,相変わらずスピード感に溢れている。例えば,レイチェルのエピソードで次どうなるの,と頁をめくると,ホワイトハウスのシーンに切り替わる,かと思うと主人公は氷河の淵で絶体絶命のピンチを迎えていた・・・というような展開の連続だ。
<br /> 「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」では,それぞれのエピソードが魅力たっぷりで,時間を忘れ読み耽ったが,今回斜め読みのエピソードもあった。確かに面白いのだが,何となく通俗的に感じてしまった。レイチェルに魅力を感じなかったせいかもしれないし,「NASAの大発見」に驚かなかったせいかもしれない。
『ダ・ヴィンチ・コード』の大成功により一躍スターダムに登りつめたダン・ブラウン。歴史ミステリ
<br />ーだけではないと言わんばかりに、今回のテーマーはNASAの最新技術満載です。実在の最新の技術
<br />を用い、過去の謎を追及するスタイルは『天使と悪魔』に通じるところも。
<br />
<br />ストーリの展開、テンポとも小気味良く読者を飽きさせない手法は、ベストセラー作家の真骨頂を発揮
<br />しています。題材もなかなか面白い。しかし、読み進むにつれ、何か心に引っかかるものが・・・・。
<br />「この小説の作者って誰だっけ??」読みやすくなったトム・クランシーじゃないか!?
<br />
<br />確かに余暇を埋めるのには面白い小説でしたが、ダン・ブラウンに求めていた「斬新な着眼点」をこの
<br />小説の中で見出すことは出来ませんでした。
<br />
<br />
<br />
<br />