を感じてしまうのは、私が歪んでいるからなのでしょうか?<br /><br />この巻では、今まで語られなかったサブメンバーの立ち位置が浮かび上がっています。<br />また、以前のシーンの改装もあるため、今までのシリーズを読んできた方にすれば、たまらない一冊でしょう。<br />話自体はあくまでサブでしょう。本質は以降の話られるであろう、それぞれのキャラクターの謎にあると思います。<br />本当に楽しみで仕方なくなります。<br /><br />どんな作品にも言えることですが、初見の感動は一度きりですので、最上のものにしたいじゃないですか。だから、これ以前の巻を読んでない方はそちらから読んでください。
涼宮ハルヒシリーズの第7巻。約430Pのボリュームを持つ、現時点でのシリーズ最長編となっています。
<br />前巻『動揺』のあとがきに記されていたように、時系列的には「朝比奈みくるの憂鬱」の直後くらいから始まります。ただ、冒頭には『消失』で張られたままになっていた伏線を回収するシーンの回想が挿入され、その伏線が実は微妙に「朝比奈みくるの憂鬱」にも絡んでいると言う構図になっており、涼宮ハルヒシリーズらしい"構成の妙"が楽しめるプロローグとなっているのがファンとしては嬉しいところですね。またこのプロローグの中には本編の"陰謀"を解く鍵が潜ませてあります。まぁ気がつく人はすぐに気がつく程度の隠し方ですけどね。
<br />そんなプロローグを経て本編がスタートしますが、全体として『消失』以降多くなった、キョンが主体的に活躍するストーリーとなっており、みくるサイドの設定がメインで用いられる構図となっています。また、ここしばらく目立っていた有希の魅せ場が減っている代わりに、古泉のサイドにもスポットが当てられています。
<br />シリーズ開始当初はシニカルな皮肉屋で、消極的な傍観者だったキョンが、すっかり仲間思いの熱血漢に成長しているのが微笑ましい反面、何か極普通の主人公っぽくなってしまったとも感じられ、少々物足りなくもありますね。ハルヒのカッ飛び具合がどんどん人並みになっている点、逆にSOS団のその他の団員にどんどん比重が増している点等と併せて、初期の頃とは随分テイストが変わってきたと感じられます。この変化を、物語がしっかり練られてきたと捉えるか、当初の"らしさ"が薄くなってきたと捉えるかで、評価が分かれそうです。
<br />ただ、ここまでは張られた伏線を回収していく展開がメインだったのですが、今巻では新たな伏線が数多く張られています。それぞれに微妙に立ち位置を変えつつ結成2年目を迎えるSOS団の今後の動きに期待は持てそうですね。
ハルヒがあまり出てこず、朝比奈さん大活躍と言ったところでしょうか。しかし全然役に立っていないのが彼女らしいというかなんというか。みくる以外の人もいっぱい活躍しています。話は伏線が多すぎてこれからどう処理していくのか気になる所ですね。シリーズ中最長の話ですが、意外とすんなりと読めちゃいます。