一・二巻と続いた窮奇との最終決戦が繰り広げられる三巻。<br>決戦場面はさることながら、決戦前の彰子との会話が何より印象的でした。<br>このシーンは泣いてしまいそうになるほど切ないです。<br>お互いの気持ちに気づいていながらも離れなければならない性。<br>二度と顔を会わせて話をしてはいけない二人が交わす一つの約束。<br>窮奇に蝕まれた彰子を守ると堅く決意する昌浩は立派な一人前陰陽師として感じられました。<br>最後には驚きの展開に発展するなど、読み応えは抜群です。<br>三巻を読んで、さらにこのシリーズが好きになりました。
夢枕獏さんの陰陽師が流行したせいか、最近陰陽師ものはあちらこちらで目にすることが多いので、ちょっと食傷気味な感じがあって、このシリーズも正直なところあまり期待していませんでした。<p> 1、2巻を読んだ印象では、安倍晴明ではなく孫の昌浩を主人公にしている点で、少し他の陰陽師ものと感じが違うなーとは思っていましたが、それほど印象に残らなかったのですが、今回はちょっと違ってきました。<p> これまであまり触れられて来なかった十二神将とのやり取りや、主人公昌浩と藤原彰子との淡く切ない恋物語にドキドキさせられ、一気にこの物語の世界に惹き込まれていきました。ラストの展開は、かなり史実とは違うので、今後どうなっていくのか、続巻に期待します!<p> ちなみに、物の怪の「もっくん」はとても可愛いですね。それに青龍とのからみも今後明かされていくと思いますが、とても楽しみです。<p>
彰子の入内を知った昌浩は、やっと自分の気持ちに気付く。<br>異邦の大妖怪“窮奇”により、彰子の体の中に障気が入りこんでしまう。<br>昌浩は紅蓮に内緒で、その障気を自分の体に移し換えることに。<br>窮奇が送りこんだ妖怪との戦いで、紅蓮にそのことがばれてしまうが、<br>自分の気持ちを伝え、何とか説得に成功する。<br>昌浩vs窮奇の最終決戦!