ザ・スニーカーで連載していたときと、エピローグの部分が変わっています。
<br />加筆修正が加わった事により、より満足のいく仕上がりになったと個人的には感じています。
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<br />別作品(リウイシリーズ等)でのパーンやディードの再登場に期待です。
古株ファンは、この新シリーズに不満はあっただろう。
<br />元々、ロードス島戦記はパーンという神に選ばれた勇者とは言い難い若者が
<br />真っ直ぐな意志と行動力で仲間を惹きつけ自分に見合う形の英雄となっていく
<br />物語であり、それが読者に強い親近感を抱かせ大ヒットに繋がった。
<br />しかし王族出身のスパークに主役交代してから政治色の強い戦記モノに変化していった。
<br />ヒロインもツンデレのディードに比べて完璧・特別すぎるニースは感情移入し辛く
<br />(これは作者も自覚しており、ギャラック夫妻が彼女に否定的考えを抱いたことがある)
<br />この二人の恋愛が話しの主軸となり、それが世界の終末にまで影響するというのは
<br />血沸き肉踊る冒険活劇というより神話のおとき話のような趣があった。
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<br />しかしスパーク達をマーモの側に立たせた事で、光と闇の均衡や調和といった当初の
<br />テーマがより掘り下げられ、また旧シリーズ終盤からスパークに主役の座を明渡していた
<br />パーンが、この最終巻で彼らしい活躍を大いに見せてくれた事で
<br />シリーズ全体の総括として納得のいく内容にはなったと思う。
<br />(パーンやスレインの家族設定が初期と変わっていたりもしますが)
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本作は2重の意味で完結編である。
<br />1つにはマーモ公王スパークを主人公とする「新ロードス島戦記」
<br />2つにはフォーセリアのロードス島を舞台にした一大叙事詩、広義の「ロードス島戦記」完結編である。
<br />シリーズ第1作「ロードス島戦記 灰色の魔女」がリリースされたのは1988年なので20年を前にしての完結なのだ。
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<br />感想について結論を先に書くとするならば、歴史の長さと厚みのわりにはあっさりした感は否めないものの、さすがにきっちりまとまった締めくくりだと思う。
<br />(派手ではないが堅実なクローザーが試合を締めたというイメージかな)
<br />物語的にスパークのロードス島戦記(実際はマーモ島戦記なのだが)になって久しいので、当然ながら物語の力点はスパークとマーモ島になっている。
<br />そのためだろうか完結編という意味で考えるならば、少年時代にパーンやディードたちと空想の時を過ごした私にとっては、いま少しパーンたちが本編に絡んできてほしかったと思わないでもない。
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<br />完結編ということではあるが、作中にて大陸にパーンが渡るような可能性を示す描写があり、これについては心の隅にとめておこうと思う。
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<br />さて、完結記念ということもあり、久々に「灰色の魔女」から全巻再読に取りかかろう。
<br />果たして年内に終わるのかどうか不安があるのだが、久々にどっぷりと水野さんが紡ぐフォーセリア世界に浸ってみようと思うのだ。