第1巻はデニム隊によるサイド7威力偵察からアムロ登場ガンダムによるサイド7脱出戦までを収録。
<br />「THE ORIGIN」とはよくぞ名付けたもので、まさに数あるガンダムシリーズのなかで「ファースト」と呼ばれる物語を見事に描いている。
<br />当然のことながらアニメ版は今の子たちから見れば「古いアニメ」に見えるだろう。
<br />それもそのはずで、早くも20年近く経過しているのだから仕方がないことである。
<br />だが、こうして漫画版が登場することによりアニメ世代と漫画世代のジェネレーション・ギャップは見事に解消されるのではないだろうか。
<br />世代をつなぐ存在であると同時に「THE ORIGIN」としてアニメではカバーできなかった領域まで描写することを期待されている漫画版。
<br />これを読まずして真のガンダムファンとはなりえない・・・とまでは言わないが、少しでもあなたがガンダムに関心をお持ちなら、一度ご覧になってみることをお勧めします。
「1stガンダム」をベースにした作品、と言う事で興味は多少あったものの、アニメのデザインとかなり違っていたりしていたので、初めのころは買う気になれなかったけれども、読んでみるとそれはそれで良さがあり、面白かったので、買い進めていこうと思いました。
<br />
<br />下手なサイドストーリーなどよりも、絶対面白いと思います。
接着剤と塗料にまみれた少年期を送った「ガンプラ」世代もいいおっさんになりました。わたしもこつこつ貯めた小遣いでおもちゃ屋に通っては家でしこしこプラモを作っていた口です。でもその時代からアニメ「機動戦士ガンダム」はすでに再放送でした。割と古いアニメなんです。でも、このアニメの所為で子供心になんとなく「哀」の字のニュアンスを知ったような気がします。
<br />関西在住の方ならお分かりになるとは思いますが、10年ほど前MBSが毎週火曜深夜に一晩4話ずつ一挙に再放送していた時期があり、このころようやく青年期をむかえつつあったわたしは「これ……パッと見て子供がすんなりすべてを理解できるもんやないぞ……」と瞠目する思いで見入っていました。「ニュータイプ」は単に神様が気まぐれに作り出した突然変異の超能力者ではないんです。
<br />そして私がええおっさんになったまさに今、満を持しての「安彦ガンダム」です。これはアムロ少年の成長記録という印象の強い「アニメ・ガンダム」からこぼれた物語が、巻を読み進めるうちふんだんに登場します。ダイクンの暗殺、ラル家の没落とザビ家の栄耀のあらまし、シャーの生い立ち、ミノフスキー理論等々、小さいころアニメを見て「あれはどういうことだろう、これはなんなんだろう」と思っていて明らかにされなかった事柄が、微に入り細を穿って描かれています。その物語性と世界観に脱帽、乾杯の作品です。