原作とは強烈に違う方向を向いて突っ走っている今作であるが、原作者である滝本氏も充分それを承知しているようで、作者自身も主人公や登場人物と同様に、ひどく迷走しているのが内容から伺える。
<br />であるが、かなり「ライブ」なこの感覚は、「NHKにようこそ」の中の本質の一つである「痛さ」をより強調していて、この5巻ではそれが画として定着してるのが、読んでいて分かる。
<br />登場人物の状況はほぼ見えた状態にすることは作者にとっても、もうやけっぱちに等しいのかもしれないが、広げまくった風呂敷と、包むべき豆粒は、作者を混乱状態に陥れ、より昇華された作品になった6巻を作り上げるだろう。期待したい。この5巻が面白いからそう言える。
1〜4巻まで同じようなノリで進んでいましたが、この5巻では事態が急変。なんと佐藤君はドラッグ中毒になってしまっていたのです。そんなこんなで今回は自宅療養のため「帰省編」です。
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<br />自宅に戻っても佐藤君ワールド全開な!?引きこもり生活が繰り広げられています。しかし、彼はそこで大切なものに気づきます。気の置けない後輩の山崎君、あこがれの柏先輩、そしていつも自分のことを思ってくれていた岬ちゃんのことを。東京にいるときには気づかなかった仲間の大切に気づいた彼は今度こそ東京で頑張ろうと決心します。
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<br />ドラッグやハイパー・セルフ・プレジャー(笑)と今回も過激な、でもちょっぴり切ないそんな内容になっています。
単純におもしろくないです。<br />ぼくは小説も読んだのですが、作品として別物というのは別に構わないです。<br /><br />ただ、原作を踏んでいた1〜4巻はナイーブでセンチメンタルな物になっていておもしろい、というか自分だったら、って考えさせられる物になっていましたが<br />この5巻は終わりを先延ばしにするためだとしか思えないような、まるで原作を馬鹿にしたような作品になっています。<br />どこが馬鹿にしているかというと、それは主人公がムカつくところです。<br />どんなにダメ人間でも、考え方とか精神的な部分の潔癖な所に共感を覚えたのですが<br />原作の手を離れたこの巻からは単なる?最低な人間になっていて、とても共感なんかできません。<br /><br />ある意味で終わりが気になりますが、今のままでは原作と違って、到底感動できそうにはありません。<br />しかし、どんな形にせよ楽しみなので、ほんとなら☆1つのところ☆2つにします。