原作を読んで購入したが自分はイメージと少々合わなかった。
<br />原作を漫画化という点ではGOTHの方がイメージと合ったと自分は思う。
<br />小説の時の独特の流れが漫画に感じられなかったからかもしれないが・・・仕方ないのか?
<br />原作と多少違う事はあっても良いとは思うが、クニコがメイド服なのはちょっと・・・狙っているようにしか思えない。少年誌だからだろうか?(実は美人だったくらいなら別に良いが)
<br />批評ばかりな書き方をしてしまったが作画の方は確かに魅力的な画力ではあると思う。でも次回作は乙一の作品が好きだからこそ、もう少し表現力をつけてからにして欲しい気もする。
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わがまま娘のナオが、家の中の使用人の部屋に家出をして、家を監視するという内容。そんな奇抜な設定の中で、ナオがとっても行動的だから、飽きません。狂言誘拐を計画して、サスペンス調で話が進むのに、ホッとするような温かさにシフトしていきます。
<br />設定だけ見ると、『暗いところで待ち合わせ』の前型のようにも見えますが、こちらは全編を通してコミカル調に統一した、ハートウォーミング系サスペンスです。設定も、構成も、落としどころもすっきりしていて、キャラクターの良さが特に活きていて、楽しく読めます。
<br />小説としての良さと漫画としての良さが同じように現れるのは稀です。この『失踪HOLIDAY』もその例に漏れるわけではないのですが、おおむね原作の良さを漫画の良さとして受け継いでいると思います。乙一作品の中でも、特に親近感のある描写がされているため、他媒体との親和性が強い作品なのでしょうか。その機会の中で、この漫画の成功は嬉しいものです。
絵も可愛いらしいし、雰囲気も乙一さんの原作とあっていてよかったと思います。<br />ただ全体的に文章での説明部分が多く「本作が初単行本」というところに、なるほどなぁってちょっと納得です。(失礼ですが…)<br />あとがきを読むと乙一さん原作の次回作もありそうな感じですね。絵柄は何度も言うように乙一作品のイメージにぴったりだと思うので、期待したいと思います。