2002年までにリリースされた曲の歌詞を並べた詩集。
<br />他にインタビューやデビュー時の出来事などが掲載されており、
<br />スガシカオが何者かを知る上で、とても重要な資料になっています。
<br />彼が「天才」と呼ばれる理由のひとつに「歌詞」の存在があります。
<br />彼の歌詞には独特のリズムがあり、そこに色の強い言葉と生活のニオイを含ませることで、
<br />速度と冷たさを持った、身近でありながら近づけない不思議な世界が完成するのです。
<br />そんな彼の歌詞を並べることで、じっくりと言葉の世界を堪能することができます。
<br />スガシカオの曲を知らない方にもオススメの1冊。
実はこの本、旧スガシカオ詩集である「1095」を持っている方には<br>あまり目新しいものはない。<p>・4Flusher,Sugarless,「青空/Cloudy」までの歌詞<br>・4thアルバム以降のスガの動き(たいした事は書かれていない)<br>・スガへのインタビュー記事(女と食物の価値の低さについて)<br>・森川社長の寄稿「スガシカオとの出会い」(デモテープ秘話)<p> 上記の情報はすべて、どうしようもないくらいスガシカオのマニア<br>であるもの(たとえば私のような)以外には、さして重要な情報では<br>ない。<p>ほとんどのアルバム・シングルを購入し、歌詞データ全てを手元に<br>揃えている者に取って真に価値あるものは、むしろ旧作とまったく<br>同内容で再掲載された、<p>【スガシカオ「遅れてきた青年」】<p>のみである。これは断言していい。<br>これを読んだと読まないとでは、スガを語る言葉の質に<br>天と地ほどの差が生まれるだろう。<p>もしあなたが前作『1095』を知らず、なおかつ詩集を買うほどスガに<br>興味を持っているというのならば、<br>この『+731』は間違いなく“買い”である。買って、まず最初に<br>「後れてきた青年」を読むべきである。<br>最初のスガシカオファン、森川社長の評者としての偉大さをかみ締める<br>ことで、あなたのスガシカオ生活はより一層甘美なものとなるはずだ。<p>「スガシカオの詩の世界はいつも万華鏡の中みたいに蠢いている。」<p> この表現を考え出した森川氏を私は大絶賛したい。
普通、歌の歌詞って、文章として見てみると、なんだかぎこちなかったり、「あれ~!?」ってなったりすること、多くないですか?<br>―そう、あの不自然さが漂う「違和感」に似たアレ。<br>でも、不思議なことにスガ シカオ氏の場合、それが少ない。―つか、<br>ない。ほとんど、イヤ、まったく、ない。<p>歌の歌詞なのに、文章一本で勝負する詩人とひけをとらない仕上がり。<br>「あまい果実」や、「黄金の月」といった名曲の数々を、文章として味わう。…これがまたいいんですよ。<br>すごく落ち込んでいたり、疲れがひどいとき、この本を手にとって、文章としてのスガ シカオの詩に触れてみてください。<br>何か足りないもの、忘れてたもの、きっと思い出すはずです。<p>個人的には、「青空」と「AFFAIR」、「夕立ち?」、「愛について」をおすすめします。<br>それから、男の人の考えていることがわからない、そんなひとにもぜひ。<br>その他、説教臭くないアプローチや、ニュアンスのこだわりにも注目していただきたいです。