前振りが長くて何が問題になっているのか、途中まで「さっぱり」わからないミステリィ。
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<br />あいかわらず個々の設定はうまい。テンポも悪くない。
<br />でも乗り切れないのは、時代設定が新しいのも、古いのも全部ありありのようで…!?
<br />もちろん軽い文章の中身は「終末医療」という、最新のテーマがポイントであるから、中々深い小説であることには変わりはないが。
<br />「物事に原因があるとしたら、必ず要因もある」
<br />ということをわからせてくれる本だ。でもそこにたどりつくまでがかなり長い。
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<br />まぁ、「氷姫」の実態を知ったし、次につながる内容になってるし、あまり欲張らないでおこう。
文章表現は相変わらずウマイし、話も面白いと感じた…個人的には、作者の三作品のなかで、一番好きである…<br />もちろん白鳥は前作、前々作より強烈ではないし、途中、何かラブコメの様な感じがする箇所があったので、そこは微妙であるけれど…三作品のなかで一番良くまとまっているんじゃないかなと思う…<br />氷姫が登場したが…まあ納得というか、こんな感じだろうと思った通りで意外性が無かった…<br />まだまだこのシリーズは続きそうな感じがするので作者には頑張ってもらいたい。
例によって小説としては面白い。初登場の氷姫はキャラがやや類型的に過ぎるし、白鳥はパワーダウンしていると言われた前作よりもさらに完全パワーダウンしているのが減点対象。また、田口と白鳥の掛け合い漫才の代わりに氷姫との掛け合いを期待している向きにもちょっと物足りなさを感じると思う。
<br /> 扱いとしてはバチスタシリーズの外伝になるのであろうか?
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<br /> で、前作もそうだったがすでにミステリーの範疇はかなり逸脱している。古典的探偵小説の概念は捨て去って読んだ方が良いし、だからと言ってハードボイルドというわけでもない。
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<br /> そう言った問題点を除いて純粋にエンターテインメント小説としてみたときには、文章にも引き込む力があるし、構成も良くできている。ふざけた調子で書いてはいるが、筆者の出したテーマは3作共通で重いものがあり、その点も高く評価できると思う。
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<br />しかし・・・、年2作の小説ってよほど速筆なのか、暇なのか・・・。普通は勤務医が書けるペースではないよな(苦笑)