店で日本刀、美術刀、模造刀、居合刀の取扱を始めるため
<br />勉強のために購入しました
<br />とりあえずこの価格で写真が大量に載っていてオールカラーっていうのが魅力です
<br />本はだいたい25×25cmという大きさで写真も大きくて見易いし
<br />解説も挿絵をたくさん使ってあるのでとてもわかり易い
<br />図説と頭につくのも納得です
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<br />内容は痒い所まで手が届くぐらい端々まで、広く浅く
<br />日本刀に関するあらゆることが書かれているので
<br />初心者の僕にはとっつき易く、かつ大満足でした
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<br />特に
<br />「試し切りが実証する日本刀の威力」の項はビックリでしたね
<br />技と名刀が揃えば鉄の兜も割れるし
<br />人間なんかは首を落とすのなんか簡単で、体を縦に真っ二つなんかにも本当にできるらしいし
<br />日本刀に向かって銃の弾丸を発射する実験では六発目までは弾丸が真っ二つになったらしいし
<br />ルパン三世の五右エ門もまんざら誇張ではないですね
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<br />まさに機能美、日本刀は世界で最も美しくかつ最強の剣です
実物大の折込図解刀の構造から始まり、
<br />第一章刀剣変遷の歴史(武器としての発達史)
<br />第二章刀剣製作の実際(鍛冶師の仕事場)
<br />第三章刀装飾具(いわゆるこしらえ)の美学
<br />第四章名工列伝
<br />第五章鑑賞の手引きと試し切り
<br />という構成になっています。
<br />武具としての刀剣の発達史、村正を始め名工と流派の日本分布図、暴れん坊将軍のような二本差しの差し方などは、居合七段の師匠の話がちんぷんかんぶんの浅学の小生には大変勉強になりました。フェラーリやポルシェ並の骨董品を買う経済力の無い一見習い剣士にとって、日本刀の日々のお手入れと巻末の用語集は大変参考になりました。また銃刀法と刀剣の法律的な取扱の違いについて解説があり勉強になりました。
<br />2006年発行で情報としては新しいです。自分は漫画屋さんのコスプレコーナーで本書を発見しました(いろんな需要があるんですね)。
美術品としての日本刀鑑賞を始めたい人はこの本を買って損は無いと思います。(星5つでも良いくらい)
<br />上の「内容」にもあるように「日本刀のすべてを紹介」出来ていると思います。製作過程などは材料の玉鋼の写真から始まり総仕上げまで載っています。(鞘作成用の鑿の写真も有り)
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<br />以下は「星3つ」にした理由
<br />惜しむらくは日本刀を「道具」としてみた場合の記事がほとんどと言って良いほど無いこと。
<br />現代日本においては巻藁や竹による試し切りくらいでしか使わないでしょう。それでも、持ったときの重量バランスや拵えによる持ち具合の差など切れ味以外にも個々の日本刀の使い勝手に差が出ると思います。
<br />「日本の剣術1,2」に出てきた団体の中には試し切りなどで日本刀を使い込んでいる人たちもいるはずです。そういう方達に対しての取材記事を読んでみたかったです。
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<br />実際に道具は使ってみないとその善し悪しが分からない面があります。その辺りをつっこんで欲しかった。