平和なムーミン谷ではありません。
<br />彗星が今にもぶつかろうとしているのです。
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<br />あれ、スナフキン。そんなところで、テント張ってたんだ。
<br />あー!!ムーミンの恋人との出会いも!
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<br />スリルある、ムーミン谷を体験してください。
今ではすっかりおなじみのムーミントロールがスナフキンと出会う記念すべき?一冊。<br>ある日ムーミントロールは「地球がほろびる」といわれ,近づいてくる彗星を観測する天文台へと向かうことに。<br>果たしてムーミン谷はどうなってしまうのか?<br>ムーミントロールは生き残れるのか?<br>・・・そんなふうに身構えて読むと,いい意味で肩透かしを食らうこと間違いなし。<p>とにかくマイペース一家のムーミントロールにムーミンパパ,ムーミンママ。<br>小心者で虚言癖があるけれど憎めないスニフ。<br>放浪のムムリク・スナフキンになんだかよくわからないニョロニョロなどなど<br>多種多様な登場人物たちが自由に気ままにムーミン一行の前に現れ,去っていきます。<p>お話もどこかのんびりしているけれど,そこはかとない寂しさが漂っていて魅力的。<br>日常の喧騒がすっかり吹き飛んでいく静けさもあって,万人におすすめできます。<p>イラストがまた秀逸。<br>トーベ・ヤンソンの描く素朴だけれど洗練されているキャラクターの生き生きした動き,<br>ちょっぴりおどろおどろしいくて好奇心を刺激する背景,思わず欲しくなる小道具の数々は<br>文章だけでは伝わらないムーミンたちの世界の奥行きを伝えてくれますよ。<p>子供は未知の世界があることに大いに興味をそそられるだろうけれど<br>私は大人と呼ばれる世代にもお奨めしたい。<br>効率化と競争の時代において,自分の中で捨て去らなければいけないあらゆるものが<br>ムーミンの世界では存在を許されていることに,<br>すこしのあいだ,ほっとしてほしいから。
ムーミン童話のシリーズで一番好きな作品♪<br>TVアニメ(特に古い方)と違って、決して「明るく」も「楽しく」もないムーミン童話だけれど、その中でも特に危機感タップリのお話。<br>なんたって世界を滅亡させる彗星が迫っていると言うのだから気宇壮大だ。<br>そんな危機的な世界を見て回るムーミン、スナフキン、スノークのお嬢さん(ノンノン)、スニフ。<p>冒険はしても大した事はしないいつもの一行。<br>でも、わがままなトコも多々有るけれど基本的には優しいムーミンにホロリとさせられる私でした。