タイトルに偽りが無い本である。まさに本をどうやって読むかを考察し、指導してくれる先生のような本だ。自分にとっては、たぶん、これからずっと読み返す本だと思う。
<br />200ページが、教養書の読み方にさかれている。40ページが小説・詩・戯曲の読み方にさかれている。そして最後に筆者が強く推奨する「シントピカル読書」という最終レベルが説明される。
<br />こういった本は、高校生や大学生の最初の頃に解説つきで読んだらすごく役に立つのではないだろうか?
<br />沢山本を読む人や速読の本を一度でも読んだことのある人は、人によっては3章くらいまでは元々知ってた内容かもしれない。
<br />研究とかやってたり論文を書いている人にとっては「シントピカル読書」も既にやったことがあることだろう。
<br />それでも、この本の価値は、そういった普通の本好きが感覚的に構築してきた経験やセンスを、文字で解説してあるところにある。
<br />その解説の適切さ、章立てに現れる分解・構築の美しさは、いっそ心地よくある。
<br />書評を書く際の心構えまで書いてあり、本当に大学の先生にならっているような感覚になった学べる本。
<br />残念なのは小説の読み方のところが、深さ的にも考察的にも薄い点だ。それで星ひとつ減。
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もっと早く出会いたかった本です。
<br />主にノンフィクション・良書といわれる本をいかに読み解くかの本を読む技術を初級か学究活動まで
<br />段階を追って理論整然と解説されていて、大変読みやすい本にまとまってます。 また、書かれてい
<br />るスキルが実践的で実用性が高いのも魅力です。 僕の場合、タイトルに曳かれて買ってはみたもの
<br />の読んでみて失敗したと思ったことがありますが、本屋での短時間の立ち読みで本の良し悪しを判断
<br />するのに、点検読書のスキルがすぐに使えます。
<br /> 欧米では、本書が学校教育に使われてそうですが、日本でも採用して欲しいと思いますし、自分の
<br />子供に対しての読書力を着けさせる上での指標になると考えます。
<br />非常にお勧めの本です。
まず目に付く、この本のタイトルが興味深い。
<br />原著のタイトルは"HOW TO READ A BOOK"だが、
<br />それを"本を読む本"と訳したのは中々上手く深い訳だと思った。
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<br />本のタイトルはさておき、
<br />本書は読書作法の聖典(というと大げさかもしれないが)ともいえる良書だ。
<br />ごく当然のように読書が日常生活の一部になっている人には、
<br />この先あらゆる読書に臨むまえに、今一度この本を繰り返し精読することをお勧めしたい。
<br />本文では読書のレベルを初級読書・点検読書・分析読書・シントピカル読書の4つに分類し、
<br />各章でそれぞれの読書における心構えと方法を詳細に語っていて、非常に参考になる。
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<br />中でも熟読して有益なところは、点検読書と分析読書の項目だ。
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<br />そのなかでも特に、点検読書の記述に注目してみたい。
<br />点検読書は、書店などである書籍の購入しようと思ったときに、
<br />その書籍を購入すべきか否か、要はその本に精読する価値があるか否かを、
<br />自らその場で判断するための技術でもある。
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<br />最近はここアマゾンのようなオンライン書店で
<br />書籍への他大勢の評価を簡単に知ることができるようになったので
<br />比較的簡単に良書にありつけるようになった。
<br />そのため本選びの労力が減り、酷い悪書を掴まされることも少なくなっただろう。
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<br />しかし、常に他人の評価を一番の判断材料にしているのは危険である。
<br />自ら考え、自らの判断で、その本を真価を見定めることが重要なのだ。
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<br />出版物溢れるこの現代、この"本を読む本"は、貴重な指針を貴方に示してくれるだろう。