読み終わってからは、「まぁ、面白かったかな」という程度で、主人公に感情移入出来なかったというか。
<br />後になってはっと気がつく伏線は面白いものの、書き方がくどい…疲れます。
<br />故意なのか、日本語表記するべき単語がカタカナで(例えば…”こと”→”コト”、とか)、全体的に軽い感じがします。
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<br />奇妙な世界観、哲学的な考えはとても読んでいて面白く、解説が長いのは仕方がなかったかなと。でも魔術あたりの解説が長々と描かれていて、途中から飽きました。『斬新さ』は別に感じませんでした。
<br />全体的に”説明”が多くて、ずーっとダラダラ続いた感じが否めないです。作者の伝えたいこととズレている内容はカットしたり、心理描写を入れたり…と、もっと推敲すれば良かったんじゃないでしょうか。
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<br />内容が薄いとは思いませんが、何を伝えたかったのか詰め込みすぎて、はっきりしません。
<br />偏見かもしれないですが、この作品は若い人向けだと思います。これからもずっと残るような名作ではないかと。
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<br />それから、最後の解説。笠井潔さんのでラストが一気に冷めました。ダラダラと説明されても、折角の物語の余韻が壊されるだけで、残念です。逆に「わけがわからない」感が強められました。
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<br />どうでもいいことですが、この本のサイズだと、机なんかに置いて読んでるとバサッと閉じてしまいます。読むのにかなり腕に力が必要です;綴じてある部分が読み難くて。
<br />解説や本そのものも関係しますが、上記の理由で☆2つです。
登場人物が全員話しすぎで、色々リアリティが崩壊しています。私は非現実的な題材を扱う以上、別の点でリアリティを補ってほしかったのでマイナス。
<br />文章にもワンフレーズで光るところが少なく、強制的に斜め読みさせられたのがマイナス。総体としては優れていても、記憶に残る部分がなければじっくり読もうという気になりません。
<br />思想的にも、彼の主観や印象をもったいぶった言葉で飾っているだけで、特に珍しいものはありませんでした。そこもマイナス。
<br />結論として、小説に飢えた時に読むと面白いでしょうが、一生ついて行こうとは思えない作品です。ただ、「よくこれほどわけのわからない作品を創ったな」という凄さは感じるので星2つにしました。
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設定だけを読んでいると「どういう風に感情移入させてくれるのか」と期待させるのだが、これがまったく感情移入できない。もはや意味が有るのか無いのかも不明な設定を上滑りしつつ、<曖昧さ>を免罪符にした適当に衒学モドキなセリフをからめつつ、ティッシュペーパーほども厚みの無い心理描写がだらだら続く。まさに拷問のように。これぞ臨死体験。
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<br />曲がりなりにもボーイ・ミーツ・ガール形式の成長物語の体裁を取っている以上、感情移入できないということはそれだけで×である。
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<br />感情移入できないキャラクターがどんなに七転八倒しても、大体の人間はそこになんの感慨も抱けないだろう。キャラクターの外面をちょこちょこと描写され・ちょっとばかり癖のあるセリフ回しをされただけで、そのキャラクターに感情移入できるような読者ならば楽しいのかもしれないが。
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<br />コレを読むくらいなら、他の小説や映画を堪能した方がいいし、はっきり言ってこんなモンよりもはるかに優れたラノベやアニメとて星の数ほど存在する。
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<br />個人的には、作者本人よりも巻末に長々と解説を書きくさった笠井潔の頭をこそ、スリッパで心ゆくまでひっぱたきたい。