今や最初の頃の京極節は失われ、単なる一般的なミステリ。
<br />しかも重要な情報は終盤まで隠され続けている為、推理小説でもない。
<br />ストーリーも平凡か、或いは若干それより劣り、前作に続いて、今作も精彩を欠いている。
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<br />繰り返されるキーワードも、最早やや鬱陶しい。
「陰摩羅鬼の瑕」を最低作とするなら、本作「邪魅の雫」は下から二番目のでき。
<br />冗長すぎる。面白いところは面白いので、半分くらいの長さにまとめれたら、佳作なできになっただろう。京極夏彦はもうぶ厚く書くことをあきらめるべきである。そうすれば、まだ一流作を出し続けることもできるだろう。だが、本作はもう冗長すぎる。「塗仏」あたりから冗長化しているのだ。
<br />ただし、読後の感想をひとことでいうなら、許せる作品である。まだ、許容範囲内である。次回作にも期待する。
今回の巻は登場人物の様々な面を知ることができる巻だと思います。関口君、益田君、榎木津などの主要な登場人物だけでなく脇役も様々な一面を見せてくれます。そのあたりは読んでいて良かったです。<br />しかし、今回は勢いがなく全体的に淡々としていた気がします。一番盛り上がる京極堂の憑き物落としもあまり迫力ありませんでした。これまでのシリーズの内容を考えると少し寂しい感じもします。<br />ですが、やはり京極作品というのでしょうか、二度三度と読む内に話の深さがわかります。話に盛り上がりはあまりありませんが、伝わるものはしっかりとあります。<br /><br /><br />読んでいるときに挫折しそうになったことと自分が京極フリークということで☆は四つ。とりあえずこの巻から京極作品を読みはじめることはお薦めしかねますね