真の自分の美しさとは周りに流されて作られるものではないという考え方は正に同感です。
<br />周りに何を言われようとも、自分がホントに美しいと思った事を追求していく。それがホントの個性。
<br />ここで言う「美」とは、ファッションやおめかしに留まらず、趣味、文化、言動、ユーモア等あらゆる物事を指している。
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<br />良くテレビや雑誌でファッションチェックとか、こういう男は〜こういう女は〜みたいなアンケートとかありますね。
<br />あれは私も好きではない。右に習えという考え方はもはや「本来の美」とは矛盾してしまう。
<br />でも日本人というのは、出る杭は叩きたがる根性でこういう企画アンケートやテレビ番組を喜んでしまう。
<br />だからマスコミもそういう番組ばかり作りたがる。
<br />この本は、そういう右習えな社会に浸り過ぎて、本来の「美」というものの解釈が分からなくなっている人には特に読んで欲しいですね。
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<br />世の中には、他人に対して、生き方、服装、趣味等あらゆる事に自分のエゴを押し付けたがる人ってのがいます。
<br />恋人同士でもそういうのありますね、交際相手に自分のエゴを叶えて貰おうと強情になる。夫婦間でも。
<br />意見とはその人の美を磨く要因になる可能性もあるかもしれないが、
<br />意見を押し付け過ぎるというのは、場合によってはその人の美を壊す恐れもあると思います。
<br />人は人、自分は自分。もっと自分や相手の「個」を大切にして見て欲しい。それがこの本のテーマである「美人を超えた麗人」への第一歩でしょうか。
<br />心の持ち方の問題なんです。それがホントの愛だと思う。愛とは求めるものでなく、与えるものとおっしゃってましたからね。
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<br />私は、美輪さんの様な「個」を大切にする人が世の中にもっと増えたらいいなと思っています。
現代日本&現代日本人を憂いていらっしゃいますが、年寄りによく有り勝ちな「今の若者は...」的な若者を憂いているというより、政治家や似非インテリや上流階級の人間等の権力者や大人を憂いていると感じました。この年代の人にしては、若者をよく見ていらっしゃいますし、若者に希望を持っているところに好感を持ちました。
<br /> 反感を覚えるのも度々ですが、殆どは的を射た意見で、視野が広がりましたし、「なるほど」と納得させられ目から鱗が落ちました。演歌やホームドラマが嫌いなところも好感を持ちました。(私も演歌やホームドラマは暑苦しいから嫌いです)。石原慎太郎都知事に関して、「よく言ってくれた!」と溜飲が下がりました。篠原ともえも彼(彼女?)のファンであることに驚きました。
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<br /> 御堂義乗さん(「乗」は旧字体です)と蜷川実花さんが撮影した写真はとても美しいです。これを観るだけでも価値が有ります。
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<br /> 独自の美意識を持った人の話は面白いですね。特別付録の『美へ誘う「美輪リスト」』は参考にさせてもらってます。
タイトルの「新しく装えど、心古き女」は、美輪さんがお好きな言葉で、「古い歴史、日本人としての美しい言葉遣い、立居振舞、すべての教養を修得し、美意識を育てたうえで、新しいものをとりいれる好奇心、心の柔らかさも忘れない女性」という意味だそうです。
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<br />この本の中で美輪さんは、「美人」と「麗人」の違い、「物知り」と「真の教養人」の違いなどについて説明されていますが、結局、「さまざまなことに造詣が深くてひけらかさない」、「愛、優しさを持って実践する」、「美意識を持つ」ということが人間の魅力につながるのだと思います。
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<br />「外国でも通用するレディになる」には、「その国の言葉が流暢に話せなくても、自分の生まれた国の歴史や文化や政治・社会・経済問題などの深い教養」が必要であること、「本物の人間でお洒落な人」は「自分自身がブランド物なので、他人のブランド名を利用し、しがみつく必要がない」など、読みながら考えさせられることが多かったです。
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<br />「形」にこだわる人が多い世の中で、あくまでも「中身」にこだわる美輪さんの姿勢は、立派だと思いました。