東京ディズニーランド、東京ディズニーシーを訪れ、アトラクションにキャラクターにとテーマパーク自体に”ホンモノ”というものを感じ取った。
<br />キャラクターにしろアトラクションやアニマルなど、どれをとっても作り物の世界なのに、何を比較して”ホンモノ”なのかがわからなかった。
<br />そして東京ディズニーリゾートを再訪問し、今までの国内の数ある遊園地やテーマパークとはまったく異なったテーマパークとしての”ホンモノ性”を漠然と見出し、すごく感心し感銘を受けたものだ。
<br />本書では、東京ディズニーリゾート設立に当たり、細部に至るまでの「こだわり」を求め、コンセプトから企画立案、着工、開園に至るまでディズニー社との想像を絶するコラボレーション作業の裏話を打ち明けるとともに、テーマパークとしての”ホンモノ性”に対するナゾを解き明かしてくれるものだ。
<br />本場のディズニーランドを丸ごとコピーし誘致するのであれば、簡単なことだろうけど、日本の文化を省みて、日本人好みに仕上げていくといった屈強な執念で、ユニークなオンリーワンへのこだわりを持ち続けた結果が、類のないニッチな経営戦略として大成功したケースだろう。
<br />これからも、ホンモノでオンリーワンであり続ける進化するテーマパークへのこだわりを忘れず、そのDNAを継承していってほしいものだ。
本書は現在のオリエンタルランド社長・加賀見さんが、自分の生い立ちから始まって
<br />東京ディズニーランドを舞浜に誘致するまでの苦労や
<br />ディズニーシーが出来るまでアメリカのディズニー社との紆余曲折の交渉があったこと
<br />ディズニー色を出来るだけ抑えてオリエンタルランド社でイクスピアリを盛り上げていきたいという意志
<br />ホテルに対する思い
<br />など、加賀見さんの視点で書かれています。
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<br />全体的に「我々は良くやった!」という自画自賛が多いですが
<br />事実、東京ディズニーリゾートは日本一のテーマパークとなっているので
<br />文句のつけようもありません。
<br />元々加賀見さんは京成電鉄の経理出身の方なので、経理の目からのやや固い調子の文もありますが
<br />ところどころにこぼれ話やディズニー独自の制度の話などあっておもしろいです。
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<br />また、この本を読んで東京ディズニーリゾート生みの親、故・高橋政戸知さんの功績を改めて知る事が出来ました。
<br />あとがきの高橋さんが亡くなった時に霊柩車で東京ディズニーランド正面から入り
<br />別れを惜しんだくだりはしみじみとした感動があります。
<br />題名も「ここに新たな何かを創る時は、海を越える想像力を持って挑め」という高橋さんの言葉からきてるものだそうです。
<br />巻末には東京ディズニーリゾート内のイベントやアトラクション開催時期などを記したオリエンタルランドの略年表もあります。
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの社長が書いた本。<br>東京ディズニーランドが誕生するまでの話から、現在のディズニーシー、イクスピアリ、直営ホテルの運営に至るまでの背景が良くわかった。<br>特に東京ディズニーシーは、TDLファンとしても、やや開園に不安を持ってみていたが、裏側では様々な工夫などがされ、それが成功に繋がっていることがわかった<br>どちらかというと、東京ディズニーリゾートの成功は、「ディズニー」のブランドバリューで成功したと思われがちだが、それだけではなく、裏側での努力・工夫があって成立していることがわかる。<br>もし、このような努力が続けられていれば、今後もTDRの一人勝ちは続くと思う