交通事故で息子を亡くしました。全ての感情がなくなり毎日生きているのか、死んでいるのか分からなかった時、この本に出会い泣きながら読みました。まるで亡くなった息子が語りかけてくれているようでした。一番辛く苦しい時この本に救われました。南風椎の1000の風も読みましたが、原文を直訳しただけに感じられましたので、私はこちらの方が好きです。
<br />美しい写真にも心が洗われます。大切な人を亡くした人だけに是非読んでほしい1冊です。
新井満氏による、この『千の風になって』より、南風椎氏による『1000の風―あとに残された人へ』のほうがずっと胸に響きました。こちらの『千の風になって』に感じる…手慣れたわざとらしい感じ、作られた雰囲気は苦手。
今年母が亡くなってからある人からプレゼントされました。この本のことはよく知ってましたし、中味についても絵本版のレビューも書いたことがありますのでわかっていたつもりです。出版に当たってのエピソードにかなりのページを割いてます。作者の新井満さんはこの本で大きな収入を得たのでしょうし、ある意味商業主義かも知れません。
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<br /> ではこの本の価値はどこにあるのでしょう。挿入写真の巧拙や訳詞テクニックにその本質を求めるべきではないと思います。この本を必要としている人は、今現実に人の死に立ち会っていて悲しみを乗り越えられないでいる人たちだと思うのです。そういった人に何らかの気分的安らぎを与えることができるのでそこそこの価値は見いだせるのではないでしょうか。少なくとも私はそう思いました。
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<br /> エピソードの挿入についてです。余分な話であるとはいえ読者にある空間を共有してもらうための仮想現実でしょう。一編の詩だけですべてがわかる人は少ないはずです。大多数の読者の理解を得るためには効果的であるように思いました。悪くないです。