普通の本とは一味違った内容だなあと思いました。私は今まで、ヤングアダルトの本を手にとった事も読んだ事もありません。だから、この本を読んだ時、中高生向けなんだなとも思いました。それは、主人公である少年の紫苑と西ブロックに住む、同じく少年のネズミとの触れ合いに、所々同性愛の雰囲気がみられたからです。噂には聞いていましたが、ヤングアダルトの本には、これくらいの要素があるんだなと思いました。でも、そこがまた、同性愛が好きな腐女子の皆さんにはたまらないのかもしれません(笑)それに、物語の中に現実的な部分があると、これもヤングアダルト=中高生向けの本なんだなと思います。ついつい「希望」というものを忘れがちですが、この巻では、諦めないという事が希望につながっているという事を物語っている様な気がします。
<br />そして、文もとても読みやすくて、どんどん物語の中に入っていきます。本を読む事に慣れていない方にも、ぜひ読んでほしい小説です。
四年前ネズミを助けた紫苑は、不可解な危機に襲われたところを今度はネズミに助けられ、NO.6を逃げ出して西ブロックで暮らし始める。
<br />NO.6にいたころには想像もつかない暮らしがそこにあった。
<br />ネズミのことを知りたいと思う紫苑に、ネズミは、他人のことを知りたいと思うな、と言う。
<br />「知れば情がわく。何の関係もない他人のままじゃいられない。敵になったときに殺せなくなる」
<br />
<br />紫苑は過酷な暮らしの中で、NO.6の本当の姿を知り始めます。
<br />「ぼくたちが生きていた場所は、美しい面をつけた化け物だった」と知る紫苑。
<br />一方では今でもNO.6で暮らす紫苑の母火藍が、紫苑の幼なじみ沙布が治安局に強制連行されるところを目撃したりと謎が山積み。
<br />これからの展開が気になるところで「つづく」です。
面白かったけど!! 凄いどきどきしたけど!! とりあえずなんだか恥ずかしかったです。自分があまり純粋なセリフを口にしなくなって久しいからかもしれませんが。<br>内容は1からまた1歩踏み込んだ感じで。№6を見下ろす部屋で交わされる話。進められる実験は何か。ネズミは次々に違う顔を見せ正体はどこまでも分からない。そして彼は紫苑に決断を迫る。「おれと№6、どちらを選ぶ?」(本当にあなたがたの会話は恥ずかしいよ…)<br>紫苑に恋する沙布は彼を追うことを選びますが、一方で危機にもさらされる。彼女はどうなるのか。<br>えらく引きの強いところで終わります。<br>紫苑を追うという沙布に対しての紫苑の母親の火藍の思いが秀逸。<p>普通書かないけど、お話のなかでは美化されてしまうけれど、本当のこと。嘘でごまかしてはいけないこと。あさのさんは常に潔癖にそれを求めているように思います。その潔癖さと闇雲さは「バッテリー」にもあったけれど、登場人物たちが大人びた分、№6の方が全体的に追い詰めている感じがします。<br>本としてとても良かったと思います。(恥ずかしかったけどね…)