「故人の親類縁者が大量に購入することを見越して作成した個人史本」
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<br />といわれても仕方がない内容の中途半端さ。
<br />史料としても活用できないのではないか?
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<br />「どうせ頼むならもっと文章がうまいゴーストライターに頼みましょう。」
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<br />おそらく、神田氏自身が感無量になってしまい勢いで書いて読み直したりしなかったのではないか?
<br />成功者の告白の方がまだ小説としてはマシだと思う。
<br />人生の旋律という題名からビジョン心理学のことなどが実例と重ね合わせて書かれているのかと思ったのだがそういうものではなかった。
<br />つまり、哲学とか思想のバックボーンが定まってないので各時代という部分と人生という全体との一貫性といったものがうまくまとまっていないのだと思う。
サブタイトルが気になって手にした本ですが、読書後「どこが老賢人なんだろう?」。 果たして「大名」と渾名される人が
<br />賢人・賢者といわれるでしょうか?
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<br /> 内容も主人公のトウタさんの自慢話のようで矛盾が見受けられ、かなりの誇張があるようで、疑問ですし、事実関係が充分
<br />検証されていないようです。
<br /> 終戦時、中国北東部でなにがあったかは藤原ていさんの「流れる星は生きている」にある如く
<br />トウタさんのように住民を守るべき兵隊はさっさと逃げてしまい(特に情報が入手できる上層部)
<br />残された一般市民は悲惨な運命を辿った方が沢山居おられます。
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<br />また、保阪 正康氏の「昭和史の七つの謎」に終戦の混乱期、軍の管理していたかなりの戦略物資等が工廠等
<br />から持ち出されて闇に消えてしまったこと。 後にGHQが調査を試みたがあまりに膨大で着手できなかっ
<br />た事実が書かれています。 それを元手に財をなした方もいるようですし、後にそれが「M資金」と
<br />言う詐欺話の基になったとのことです。
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<br />トウタ氏が得た資金もどんな素性か確認のしようが無いですが、僕は疑問です。
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<br />「本書の趣旨が、日本経済は70年周期で動いている仮説があり、現在が戦前の時期に似ている。
<br /> だから戦争を知ることは、これからの10年を生きるうえで、とても大事なヒントを与えてくれる。」
<br />と言うのが趣旨であれば、事実を軽視していては趣旨に反すると思います。
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<br />過去の戦争を考えるなら僕の読んだ中では、ヘレン・ミアーズ著「アメリカの鏡日本」(
<br />戦後GHQが翻訳出版を禁止した本)や、
<br />山本七平さんの「日本はなぜ敗れるのかー敗因21ヶ条」の方が良いと思います。
あるテレビ番組で、連続殺人犯であった美しい女性を特集していた。
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<br />愛情の無い家庭で育った彼女。
<br />彼女は夫となった男に保険をかけて毒殺した。
<br />娘までも手にかけた。
<br />そして、まるで何かの辛さを紛らすかのように、浪費を繰り返していた。
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<br />しかしその後、愛情深い夫を持った時から、彼女は人を殺せなくなった。
<br />彼女は捕まり、その仮出所中に、生家の前で自殺した。
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<br />この本を読むのは辛くてしようがなかった。
<br />もちろん私は彼のような大成功はまだ出来ていないし、戦争すら経験していない。
<br />しかしそこを除けば、彼の人生は、私や私の父のそれと同一パターンなのだ。
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<br />彼の気持ちや考え方が手に取るように分かる。
<br />彼は息子と親子関係を断絶している。
<br />しかしその理由について彼は、「志が違った」と、お茶を濁した返答しかしていない。
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<br />分かっている、痛いほど分かっている、これは彼の強がりなのだ。
<br />愛情を失うことが寂しいのだ、辛いのだ、他の誰よりも。
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<br />生きていれば、彼を強く抱きしめてあげたかった。
<br />「大丈夫、僕は味方だよ」息子の代わりにそう言ってあげたかった。
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<br />彼が最期まで大事にしていたのは、家族の写真だった。
<br />そう彼は、子供の頃に十分に受けることのできなかった、「愛情」が欲しかったのだ。
<br />息子との断絶は、その辛さをぶつけてしまったためなのである。
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<br />素晴らしい妻に出会い、真の愛を知った彼は、両親の元へ旅立っていった。
<br />彼はきっと今、幸せだろう。
<br />私はそう願いたい。彼には幸せになる権利があるのだ。