今回は、紫苑が守られる立場から守る立場になったと思います。それはきっと、NO.6にいた頃の紫苑が、西ブロックに来てから、ネズミや、その周りの人達から様々な知識を授かったからだと思います。西ブロックで生きていくには、「他人を頼ってはいけない。助けを求めても、誰も助けてはくれない」……いつでも助けを求める事が出来たNO.6にいた紫苑にとっては、少し信じられない事だったでしょう。私だって、危ない目に遭ったら、やはり助けを求めてしまいます。それが出来ないのが、この西ブロックなのです。
<br />そして、今回は沙布が矯正施設へと連行されます。実は、その事を知った紫苑が、ネズミに黙って沙布を助けようとしたのです。巻き込みたくない…。それが紫苑の気持ちだったのでしょう。ではなぜ、エリートの沙布が矯正施設なんかに連行されるのでしょうか…?この巻では、残念ながら矯正施設の内部に入っていく紫苑達を見れませんでしたが、これもあさのあつこ先生が悩んだ末に出した展開なのです。矯正施設なんか、そう簡単に入れるものじゃありません。もし入れたとしても、すぐに捕まり、個人情報を探られるのがオチです。それに紫苑とネズミは一級の犯罪者なのです。その事がわかれば、一生出られないどころか、もしかしたら処刑されてしまうかもしれません。…ならば、どうすればいいのか…?これでは沙布を助ける事は出来ません。…そんな時、ネズミがつぶやいたひとこと――「人狩り」
<br />これは、一体どういう意味なのでしょうか…?これで、沙布を助ける事が出来るのでしょうか…?
<br />その続きは、次巻のお楽しみです。
私は、この巻が一番好きですねー。
<br />ネズミの、おもわず苦笑いしちゃいそうな、やさしい面が出ていて・・・・。
<br />とっても素敵でした。
<br />このシリーズは、三回ほど1巻から何度も読みましたが、
<br />読むたびにドキドキしたり、トキめいたり、現実逃避したり(笑)と、
<br />全然あきません。
<br />むしろ、どんどんはまっていきますね。私は。
<br />ネズミの、美しく、そしてえげつなく・・・中性的なところが大好きです。
他の方の内容が浅い、甘いという話がありますが、
<br />私は十分に深いと思っております。
<br />ライトノベルなので読みやすいし、
<br />語りは割りと淡白な感じですが、
<br />十分に物を考えさせる材料は作品中にあると思います。
<br />作者があまり深く描写しない分を、
<br />考えざるを得ない所を読み手が
<br />自分で考えなければならないと思います。
<br />何も考えなくても楽しくは読めると思いますが
<br />考えていけば十分深いテーマで描かれていると思いますよ。
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