以前ラジオにて、この「千の風になって」の詩を朗読で聞いた事がある。深夜ながら胸を打ちずっと心に残っていた詩だった。何より、原詩の作者が不詳という事実に驚いた記憶がある。あの時聴いた詩が、こんな素敵な本になっていたとは。感激。本との出会いはだから面白い。
<br />いわさきちひろさんの絵は幼少期の頃から大好き。祖母宅に飾ってあったし絵本の中ではお気に入りの絵だった。安曇野ちひろ美術館も行った。ちひろさんの絵は、自分の幼少期にタイムスリップ出来る。ちひろさんが生前描いた素敵な絵に「千の風になって」の詩がやさしくマッチしている。新井満さんのあとがきも熱く胸に迫る。大切な誰かを亡くされた方。または悲嘆にくれている方。かけてあげる言葉が何も見つからない時、私はこの本を選ぶだろう。時に自身が受ける喪失感にも最適の本である。
先日、遠方に住んでいた叔母が62歳で急死しました。
<br />叔母の死をきっかけに『千の風になって』という詩や歌がある事を知り、この絵本の事も知りました。
<br />私と歳の近い叔母さんの娘3人に、少しでも慰めになればと思いこの絵本を贈ったら、叔母さんがいわさきちひろさんの絵が大好きで、生前、美術館にも行きたいと話していたとの事で、とても喜んでくれました。
<br />いわさきちひろさんの絵が、どれもほっとする和やかな、穏やかな気持ちになれる絵ばかりで、私も、10年以上経つ祖父母の死から立ち直れずにいたので、この絵本を見てとても癒されました。
<br />知人からも是非欲しいと頼まれて、再度、数冊注文させて頂きました。
<br />叔母を亡くした従姉妹たちへ、何という言葉をかけたら良いか分かりませんでしたが、この本が私の代わりに十分と伝えてくれ、本当に良かったと思っています。
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