野口さんの著作は常にそうなのだが、実利的でわかりやすい。
<br />反面、哲学的深さがないように思いがちだが、そういうところは通り過ぎた上でのプラグマティズムなのだ。たぶん。
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<br />手帳については毎年何が良いか迷った挙句、会社で使用しているグループウェアのスケジュールを使用することで落ち着いている。関係者の日程確認の為に使用が義務づけられているのでこればかりはしようがない。
<br />普段はPCを持ち歩いているしネットに接続できなくてもローカルにレプリカをとっているから問題ない。
<br />PCを持ち歩いていないときに困るが、データの一元管理の観点からは別途手帳に記入するのは望ましくない。
<br />ということで、プリントアウトのA4用紙を閉じ込めるバインダーのようなものがあればいいのだ、という結論にしたいところ。
<br />あとは、長期計画を一覧するにはどうしたらよいかだが、グループウェアの設計をいじって数か月分のプリントアウトが出来るようにすれば良いだろう。
<br />というように、自分なりにどうすればよいかを主体的に考える気にさせる能動性への働きかけがあるのも野口さんの著作の良いところだ。
<br />超整理手帳の紹介はしているが、これでなければいけない、とは言っていないところが良心的。
1.他の手帳本執筆者の主張を批判しているが、言っている事は彼らと変わらない。
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<br />2.結論に至るまでが回りくどい。
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<br />3.これまでの集大成かと期待したが、いたる箇所で過去出版書籍の参照先を紹介しているだけ。
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著者は日本経済論を専門とする経済学者である一方で、その研究過程でつちかった諸情報の整理方法を「超整理法」と名づけ、積極的にその内容を開示してきた。個人的には、そのことに感謝しないといけない。「超整理法」なかりせばおそらく自分の会社での仕事は、とうに破綻をきたしていたはずだ。
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<br />本書は、「手帳法」と名づけているが、実態は「超整理法」のリニューアル版と考えた方が妥当であろう。その意味で、かつての「超整理法」を知らない新しい世代の方が、情報整理の方法を知る書として読むのにはいいのかも知れない。一方で、従来の「超整理法」派の方にはやや重複感を覚えるのかもしれない。
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<br />それでも、「デジタルカメラ」を活用する方法など、数々の新機軸も認められるので、「超整理法」10年選手の自分としても、非常に参考になる部分はあると思われた。