第一巻、第二巻を読んだ。名著「蒼穹の昴」、ちょっとずっこけたかなという続編「珍妃の井戸」に続く、清朝末期の中国の混乱を描く長編歴史小説である。今回は、西太后の老化に伴う皇帝の権威の低下、日本をはじめとする諸外国による干渉の激化、華北地域における馬賊の勃興などをそれぞれの立場の視点からバランスよく描写しており、没頭して読んでしまう。ただ、登場人物が重なり、前著からのストーリーの流れがあるため、「蒼穹の昴」などを読了せずにいきなりこの「中原の虹」を読むのはお薦めではない。また、これは自分で失敗したなと思ったのだが、12月末現在でまだ第三巻、第四巻の発売予定が明確になっておらず、「いったいこの後どうなるのだろうか?」と日々悶々とさせられている状態である。4巻を通読して意味のあるものなので、あわてずに、全巻が発売されてから通しで読んだ方がよい。それにしても、いったいいつ発売になるのだろうか。
心に染み入る文章・・美しいのです。
<br />私はナレーターをしているのですが、読書をしていて、
<br />思わず声に出して読みたくなる小説って以外に少ない。
<br /> 浅田さんの文章は思わず声に出したくなる。
<br />平易だけど、美しく、テンポ感がある。
<br />きっと著者自身が実際に声に出しながら、推敲しているのでは・・
<br />と思えてしまう。
<br /> 早く三巻を!
ドラマでも小説でも続編やパート2って大体もとのものよりレベルが数割落ちるのは
<br />しょうがないなー、と思いつつ手に取った、「蒼穹の昴」の続編が刊行開始!
<br />もとの「蒼穹の昴」がすてきな小説なので、そこから数割落ちても面白いだろう、
<br />位に思ったけど…これは、本編のレベルから見劣りがしない素晴らしい続編。
<br />
<br />馬張作霖は、子分の春雷を伴い、それを持つ者は天下をとると言い伝えられる
<br />龍玉を求めて旅立った。龍玉は、未来を憂いた乾隆帝が満洲のある場所に
<br />隠しているといわれており、持つのにふさわしくない人物が手にしたとたんに、
<br />その人間が滅びてしまう、という恐ろしい力を秘めているという。
<br />しかし、張作霖は少しもそれを恐ろしいとは思わなかった・・・
<br />
<br />というわけで、張作霖を中心に、物語は劇的に展開して行きます。
<br />張作霖は、満州の英雄となるのでしょうか。
<br />相変わらずのドラマティックな展開。平易で美しい文章。
<br />はやく次も読みたいです! 待ち遠しい!