読売新聞の記者による旧五菱会闇金融事件を扱った本。
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<br /> タイトルが示すとおり、闇金融そのものではなく、それで得た
<br />収益を如何に隠し「汚れてないお金」として自分の手元に貫流
<br />させたかを描いています。
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<br /> 警察情報と裁判資料に寄っているため(ノンフィクションで
<br />有る以上、当事者への取材を行って欲しかった。それが出来て
<br />いれば中身により厚みが出たと思えるのだ)少し物足りない感が
<br />あるのは事実ですが、マネーロンダリングという言葉は聞くが
<br />中身については?な事柄とその犯罪を白日の下に曝しています。
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<br /> 加えて、この分野でも現実に法制度が追いついていない事実を
<br />読者は知らされます。
<br />経済犯罪の現状を知るにはお薦めの一冊です。
読売新聞の社会部記者の共著。新聞記事の取材材料をもとに、小説風にまとめなおしたのだと思う。不満なのは、ボリュームが少ないのと、マネロンに焦点をあてたため、闇金融の実態が表面的にしかかかれていないこと。もっと時間をあて、再取材を重ねて、重厚なのを書いてほしかった。ただ、評価できるてんは、こういう現代的な経済犯罪にマスコミがついていけない状態を、少しでも埋めようとしていること。新聞はこの分野の専門記者をもっと育成し、犯罪の進歩に遅れない、記事を書いてほしい。
期待して読んだが、筆者が典型的な社会部記者とみえ、警察情報に頼りすぎで、結果として捜査当局を美化しすぎている。日経の磯山記者が書いた「ブランド王国 スイスの秘密」と併読すれば、日本の捜査当局がこのクレディ・スイスが絡んだ事件について、いかにマヌケだったかがわかる。