この本で紹介されるインフルエンザの猛威は、決して誇張ではない。最悪のシナリオとはしながらも、猛威を振るう新ウイルスの登場によって、我々の日常生活は壊滅的な被害を受ける。
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<br />人びとがイメージする「インフルエンザ(=風邪)」なんかではないのである。
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<br />現在の鳥インフルエンザウイルスは、日を追うごとに、人間への適応レベルを上げてきているという。ウイルスの人への適応レベルを10個あるボタンに例えるならば、すでに5個のスイッチが押された状態だと語る。やがて残りの5つスインチが押されたとき、人類はこれまで経験したことのない感染症に晒されることになる。
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<br />そのときは確実にやってくる。
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<br />その恐怖の日が秒読み段階にある今、われわれがなすべきこと、準備しておくべきことなどを明瞭かつ具体的に語る、きわめて実用的な好著である。
パンデミックとは、世界的な大流行のことを言いますが、今や世界中で発生が恐れられている新型インフルエンザとは、過去にスペイン風邪などで大流行したことが知られている、A型インフルエンザ・ウイルスの突然変異によって起きるとされています。これがいったん始まると、人類にはまだ免疫がないので、世界中で一気に大流行すると予測されているのです。しかも今回発生の兆しが見られる新型インフルエンザの場合、スペイン風邪とは違って致死率が強いことがわかっているから恐ろしいのです。
<br /> スペイン風邪が流行ったのは第一次世界大戦の頃で、当時に比べれば衛生状態もいいし、医療環境も整っている。それはたしかにそうですが、今回は交通網の発達によって、当時とは比べものにならない流行のスピードが予想されます。うっかり対応が遅れると、社会機能が麻痺する可能性も高い。しかも余所に応援や援助を要請したくても困難になって、各地域でいかに対応の準備が出来ているかが重要になる。これが局所的な津波や大地震とは違う重要なポイントです。
<br /> いったんパンデミック・フルーが始まってしまうと、外出そのものが感染の危険を伴う行動になってしまうので、学校も会社も病院も危険な場所になってしまうと考えられる。それでも地震と違い、家に帰る時間の余裕ぐらいはあるはずで、だからこそ家に蓄えの準備をしておくことが大切になる。それでは自分の家でどの程度の蓄えや準備をしておけばいいか?そうしたことも、この本には丁寧にQ&Aで書いてあります。大切な家族を守るためにも、一読されることをお勧めします。
どうしても避けられない、大流行になるのだろうか・・・・
<br />もし私たちが感染したら、どうしたら良いのだろうか・・・・
<br />知識として知っていたら、パニックにならなくてすむのだろうか・・・・