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| 獣の奏者 I 闘蛇編
(
上橋 菜穂子
)
「守り人」シリーズでおなじみの、上橋菜穂子さんの新作長編ファンタジーの第1作目です。
<br />
<br />「守り人」シリーズと同じく、まったく架空のファンタジー世界ですが、
<br />浮いたところ、軽いところは一つもなく、主人公のエリンををはじめとする
<br />物語に関わる人物の一人一人が確実にこの「世界」に生き、理不尽な出来事に
<br />直面しながらもたくましさや希望、あらゆる感情を持って、現実の自分たちと同じ
<br />先のわからない人生を生きているのだと、どっしりと感じさせられました。
<br />
<br />上橋さんの作品は、なんと言っても"血の通った"、いい意味で人間くさくて
<br />魅力ある人物たちと、"土の香り"がする、生きた世界観が魅力なのではないかと
<br />思うのですが、この作品も期待に違わず、その世界に生きる人物たちの「息吹」を
<br />感じさせてくれながら、怒涛のように流れていく物語の展開で息をもつかせず、
<br />時にはほっとしながらも、冒頭から終わりまで、駆け抜けるように一気に
<br />読ませてくれるものでした。
<br />
<br />数奇な運命をたどる主人公、エリンが抱く母への思いや憧れには、読んでいる自分も
<br />温かくなり、突然やってきた別れ、大好きだった母を失った悲しみなどは、
<br />刺すような気持ちがひしひしと伝わってくるようでした。
<br />
<br />少々内気なところもあるけれど、芯は強く、誰よりも向上心と"真っ直ぐな魂"を持ち、
<br />大好きで憧れだった母と同じ道を歩もうと決意するエリンが、読んでいてとても好きになりました。
<br />
<br />2巻目の購入はもう少し先にしようと思っていたのですが、この1巻目を読み終わった
<br />直後、すぐに購入を決めました。
<br />これからエリンに関わってくると思われる人物たちの動向や、物語の展開も
<br />当然気になるのですが、なにより、"まっすぐに"獣たちと関わっていこうとする、
<br />エリンの姿に、また会いたいので。
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