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テロルの真犯人 ( 加藤 紘一 )

 平成18年8月,小泉前総理の靖国神社参拝に憂慮していた加藤紘一先生の自宅が放火されるという衝撃的な事件が起こった。いわゆるナショナリズムの台頭の名のもとに,国民が無抵抗に時代の波に翻弄され,言論の自由が封殺されつつある危惧感を抱いた加藤代議士の渾身の名著。 <br /> 時代は一体どこへ流れていくのか?ナショナリズムとは何か?靖国神社の歴史観とは?冷え込んでしまった中韓関係をいかに打開すべきか?加藤先生の生い立ちから解き起こして,そうした問題に対する解答案をこの本は示している。 <br /> 激動の平成18年の年末,印象に残るいい本にめぐり合えてまた一つ,視野を広げることができた。 <br /> 安部総理にも読んでもらいたい一冊である。

何があってもテロルはいけないことだ。これは間違いない。右翼だろうが左翼だろうが、このルールは守られなければならない。 <br /> <br />ただ、読後、本のタイトルと内容との間にある程度の違和感を感じた。彼の実家が放火された事件および言論とテロルについて書かれているのは前半わずかで、あとは、彼の外交官時代の話、小泉政権特に靖国問題に関してページがさかれ、正直そういった部分は読んでいて退屈で苦痛だった。もっと、その放火事件や昨今の言論といった大事な問題にスペースを割いた本を加藤先生は今このタイミングで書くべきではなかったか。

一個人の私的経験、感情を暴露した本、ということでなく、この本は大いなる勇気に支えられた国民全体への熱いメッセージだ。個人の言論の自由が守られない国は、やがて国民の声を無視した方向に進み、かつて歩んだと同じ過ちを繰り返す事になるであろう。今、それを食い止められなければ、この先無知と傲慢さによる卑劣な迫害が、著者のみならず、声を上げる人達全てに及ぶだろう。その危惧が痛いほど伝わってくる。 <br />よくぞ書いてくれた!自分の保身より、国民の為を思う加藤氏こそ、国会議員としてふさわしい。

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