最近のヤクザや公務職ブームに飽き飽きしていたので、
<br />これだけストレートに描かれたBLは返って新鮮です。
<br />なんだかとても不思議な感覚がする小説でした。
<br />でも、それが決して不快ではないのです。
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<br />硝子のように透明感があって、その響きは金属音のような、
<br />冷たいのにどこか寂れた懐かしさを感じさせる。
<br />どうあっても憎めない万里がそうさせるのかもしれません。
<br />どのキャラも私は不快感を覚えませんでした。
<br />それぞれにきちんと役割をこなしていたように思います。
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<br />ストーリーの展開は途中で読めてしまうのですが、
<br />センスのある文章と、独特の雰囲気を持った空気が魅力的。
<br />フレグランス、合い鍵、ライト、歯ブラシ、携帯電話など、
<br />ちょっとした小道具や日常の描写が巧みです。
<br />時間軸が二転三転するのでちょっとそれが戸惑いますが、
<br />素晴らしい挿絵も相俟って、クオリティの高い世界観をキープしていると思います。
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<br />万人向けというより『感覚で読む』小説だと思います。
<br />エッチ描写が云々より、雰囲気を愉しみたい方にお勧め。
<br />読後感は肌に心地良いシルクに包まれた感じ。悪くないです。
<br />とにかく挿絵が素晴らしい。一見の価値はあるかと。
<br />小説の内容にもぴったりだと思います。
カバーイラストに惹かれて購入しました。
<br />いやぁ、驚きました。
<br />いまどきの金持ちのお坊ちゃま・お嬢様は、こんな生活を送って居るのか?!・・・・と。
<br />自由奔放を通り越し、呆れるやらうんざりするやら複雑です。
<br />だが、文章というか言葉使いと表現力が、この作家さん非常に上手く、且つ繊細で、途中で本を閉じる事が出来なかった。
<br />危うい年代、している事は投げやりで堕落しきり、むなしさまで感じられた。が、なんと言うか、、、、、
<br />とにかく、だらしなく気まぐれ、常識人とは思えない万里の事を「無邪気な悪魔」と朗は言ったが、
<br />朗の苦しみが姉の奈帆に因る罠のような出来事から始まっている事に「なぜ?」と、先ず疑問を抱き、その理由が知りたくて
<br />読んでは戻り、進んでは戻り・・・を、繰り返しつつ 気づけばじっくりラストへ向かい読んでいました。
<br />結論としては印象深く、ホンワカ・ラブラブのBLに慣れきった目と頭に「起きろ」と、一言与えてくれる作品だった。
<br />はらはらしたし、ばかだなぁと思いつつも中盤は余りにも朗が可哀相で、かなり万里を嫌いになった。
<br />作中「時間」が何度も前後するので、これから読まれる方は勘違いをされないよう注意しながら読んでください。
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「素直な思いを伝えられない」切ないほどじれったい思いを書かせればこのひと!
<br />といえるような紅緒ワールドが展開されている作品でした。エッチ度も高めで
<br />期待通りといえます。