題名の通り、20年前にこの本に出会っていれば、自分の人生も少しは変わっていたと思います。<br>今まで読んだブルーバックスシリーズの中でも、最高レベルの本です。<br>実に、手堅く、詳しく、簡潔に勉強について書かれており、一気に読めてしまう。<br>ツボが押さえられているんです。<br>5教科全てに書いてあるのもうれしい。<p>受験参考書についての考察もなかなか参考になった。<br>「理系のための・・・」という題名だが、理系とか文系を問わず、誰でも十分読めます。<br>文系の人は理科→社会に置き換えたらいいのです。<p>ただ、星を5つ付けたいところだが、もう少し勉強法や参考書・問題集について書いていてくれて、なおかつ、推薦入試について書いてある所が無ければ、星を5つ付けたと思います。<br>推薦入試の項目だけで一章分を紙面に費やすのは、かなりムダだと思う。<br>この著者には、今度は、「勉強法」だけに的をしぼった著書を出して欲しいです。
15歳、16歳の人たちが運良く出会えたら、この本から実行可能性の高い助言が見つけられるかも。それを過ぎてしまったら、後の祭りにしかならないので、『旬』が短い本。星3つはそのため。だから、内容が悪いということでは決して無い。むしろ今を時めく和田、斉藤の本よりも得るところはるかに大だと思う。<p> それにしても理系、文系と最初に宗旨分類する手法は、挙国一致でそろそろやめにできないものか。日本の高校理系数学の範囲が、フランス、イスラエル、シンガポール、中国あたりでは法文系進学希望者の履修範囲に収まりかねない状況。理系進学希望者の専売特許扱いをせず、人類共通の知的財産として数学も物理も高校生には一律に大らかに学ばせてはどうかと思う。そうすればこの本が訴える将来のフリーハンドをより多くの18歳達が手にできるはず。<p> 大学でぐんと伸びたのは、結局、古典を含めての国語がしっかりしていて、数学、英語の運用能力が身についていて、それを基盤に理科・社会を幅広く学んだ人たちだったと、つくづく思う(おそらく、美術や体育、音楽、技術・家庭の授業も真面目に履修しただろう)。一芸入試や推薦入試は実態を知る人にはチャンチャラおかしい大学の定員確保策でしかなかったし、今後もその程度の役回りしかないだろう。日教組をはじめ所謂「左」系の人達は一般入試を否定するという意図から、深く考えることなく絶賛し続けるだろうが。<p> 今、私大の文科系学部で一番優秀な人たちが、センター試験の5教科受験組だということは追跡調査で実証済み。大学側もそれをわかっていてセンター試験多科目受験者の確保枠を設けているとのこと。これは何よりも本書の主張の正しさの裏づけになる事実だ。<p> この本ではこつこつと頭と手先を動かして学ぶことを勧めているが、これこそ時代を超えて通用する勉強法だと思う。実直で良心的なマニュアルである。