発明・発見に於いて本書には代表的な項目が20載せてあります。それらを時代を問わずにいろいろな背景や事情をもとに系統的に纏め上げられているので読みやすいです。
<br />特に、20世紀以前の産業革命時代に現れる数々の発明物語は読んでいて面白いです。
<br />有名な蒸気機関のワットの功績、発明王といわれるエジソンの策略、秘密主義に徹したライト兄弟、無線電信に於ける国の威信をかけた争い等有名なものばかりですが、読んでみると改めて当時の時代背景を知らされるようです。
<br />日本人の発明者も載せてありますが、何故か不運に満ちた内容が多く、名誉が損なわれているように感じてなりません。
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<br />発明には運もあり不運もある。また争いもある。
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<br />新書版1冊にこれだけの内容を載せたのは他にないでしょう。科学に興味のある方読んでみて下さい。
本書は、発明にまつわる話を集めた本である。本書を読めば…
<br />・ 国や時代によって、発明者が異なることがある
<br />・ 発明は、多くの先行研究があって成り立つものである
<br />・ 発明には、争いがつきものである
<br />・ 発明者を一人(1グループ)に絞り込むのは難しい
<br />…ということが分かるであろう。
<br />例えば、エジソンが発明したとされる白熱電球。白熱電球は日本では、エジソンが発明したというのが常識となっている。しかし、英国では白熱電球はスワンが発明したことになっているらしい。当然、白熱電球にも先行研究があった。それは英国のデービーが発明したアーク灯である。ちなみにデービーは、ナトリウム,カリウムなど8つの元素を発見したことでも有名。また、白熱電球の特許権に関連して裁判が起こっている。
<br />上記のようなことは、白熱電球に限らず、多くの発明に関連して起こっているらしい。
<br />発明に関連する争いは、現在も後をたたない。特に昨今の日本では、研究者が古巣の会社を相手取って訴訟を起こすことが増えている。さらに、韓国や台湾などの企業と日本企業が特許権の侵害で裁判になることも多い。
<br />本書をきっかけに、昨今の発明と特許権に関する争いを顧みるも悪くないであろう。この手の話題に興味があるのならば一読をお勧めする。
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この本に書いてあるように、炭素繊維、電卓、トランジスタラジオ、光ファイバー、指向性アンテナ、アドレナリン、フェライト、青色発光ダイオード、これみんな日本人が発明したり、後世へと続く画期的な改良をしたものなんです。
<br />巷で言われているように、日本人は独創性がない、なんて全くのウソだと分かります。