日本におけるTEACCHプログラムの第一人者、佐々木正美先生の著書です。障害特性・療育方法など、自閉症についての基礎知識がまんべんなく解説されています。
<br /> 全体的にTEACCHプログラムの立場からの解説です。ですから、TEACCHプログラムの紹介本としても有用です。例えば、TEACCHプログラムで取り組む領域として、本書では次の六つが挙げられています。
<br /> ・コミュニケーション
<br /> ・時間
<br /> ・身のまわりのこと
<br /> ・社会性
<br /> ・勉強・作業
<br /> ・遊び
<br /> このようなわかりやすいまとめ方は、他のTEACCH本を見ても、あまりされていないように思います。
<br /> イラストも多用されていて、とてもわかりやすいです。自閉症の子ども達と関わることになったら、まず一番に読むべき本としておすすめです。
「すべてがわかる本」というタイトルです。しかし一番大切な原因については「くわしくはわかっていません」と記されています。だから確実に治る方法が確立されていないのです。それを「すべてが・・・」と謳うのはどうかと感じました。
<br />TEACCHで症状が改善される子もいるでしょう。しかし他の治療法もいくつかあり、そちらの方が有効なお子さんもあるはずです。そういう意味で選択肢が狭くならぬ様、タイトルにつきましてはアンチテーゼを唱えます。
<br /> 内容についてはネットなどで調べるよりは、はるかに理解しやすく病態をつかみやすいと思います。
<br /> 自閉症の診断を受けた親御さんには、無駄な治療に時間は裂けないのです。
<br />せめて治療効果の有効率をおおまかにでも明らかにしてくだされば、それがそれほど高率でなかったとしても、有意義な本になったと思います。
<br /> 「治るか、治らないのか・・・」それが一番親が知りたい事柄なのです。
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娘が自閉症と診断されましたが、医師の説明がよくわからない。自分でいろいろ調べてみたもののさっぱりわからない。不安が日に日に膨らんでいた時にこの本に出会いました。詳しく書いてあるのに読みやすく、図を用いた説明もわかりやすかったです。この本を読み、娘が苦手としているものが理解でき、その対応方法にも納得がいき、いたずらに不安に思うことがなくなりました。