誰にでもできる、お手軽で簡単な記憶法を紹介した前著の続編。今回は大学受験版ということで、大学入試の様々なノウハウが盛り込まれています。特に第8章の「科目別具体的勉強法」、中でも歴史と物理・化学の勉強法は、受験生にはとても参考になる内容ではないでしょうか。惜しむらくは、もっと具体的に詳しく書いて欲しかった…。
<br /> しかし、いちばんがっかりしたのは、前半の記憶法の部分です。前著と内容的にほとんど一緒で、新しい発見はありませんでした。英単語スペル記憶法に多くのページを割いていますが、中学1年生ならまだしも、今の大学受験生に、スペルの記憶がそんなに需要があるのか疑問です。マーク主体の私立受験者にはあまり必要ないですし、英作文のある国立上位校を狙っている人なら、この記憶法を使わなくてもスペルくらいすらすら書けるのではないかと…。単語の意味の記憶にしても、著者の主張する「場面の中で覚える」やり方を採用するなら、『速単』とかいろいろあるわけですし。また、用語や人名の記憶を何でもかんでも十字円で処理するよう書いてありますが、これは危険だと思います。そもそもこの記憶法は、どうしても忘れてしまう用語・人名に対して使う方法であって、すべてをこれで処理しようとすれば、記憶の干渉が起こって混乱するだけです。
<br /> 前著と同じ前半の記憶法は丸ごと削って、「科目別具体的勉強法」をもっと詳しく書くべきだったのではないでしょうか。一般的な記憶や勉強のコツとしても前著の方が詳しく書いてあり、今回はちょっと残念な内容でした。
この著者の前作である世界最速「超」記憶法がよかったので、即購入。
<br />最初、英単語のスペルの話とかばかりで、「ん?」と思ったが、読み進むにつれて、なかなかつぼを抑えていて、たいへんいい内容であることが分かった。
<br />第1章から4章は漢字や歴史の覚え方とか「本当にそんなんで覚えられるのかな?」と半信半疑であるが、第5章以降は絶対読まないといけない内容である。例えば、第7章のところに「高校は義務教育ではない・・・」ということが書かれているが、よくぞ言ってくれたと思う。
<br />あまりにも当たり前すぎることだが、高校への進学率がほとんど100%という異常とも言っていい事態になってるせいか、高校に行くのは義務というか、エスカレーター式みたいになっている。だから案外、書物には当たり前なことが書かれない。この本は当たり前のことをしっかり書いてくれているので、評価したい。大半の本が読者に媚びる内容でしかないから。
<br />また、第5章に「志望大学に合格するためにやるべきことは、高校で学年1番になることではありません。」と書かれているが、これもよくぞ言ってくれたぞ!って感じ。
<br />これは学生どころか、学生の親がまるで分かってないことなので、しっかり読んでおいた方がいいだろう。
<br />すばらしい本だが、先ほども書いた通り、著者の暗記術がどうかなあ〜?と思うので、星4つである。
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