村上春樹=「ノルウェーの森」=退屈&暗いと思っていたので、この作品を読んだとき、
<br />村上春樹の感性はすごいと思った!
<br />とくに、バーでの鼠とジェイとのやりとりは、たまらなく、暖かくそれでいて乾いた感じが
<br />楽しい。
<br />3部作「風の歌を聴け、1973年のピンボール、羊をめぐる冒険」と
<br />ダンスダンスダンスまで一気に読んでしまうとなぜか、せつなくなりました。
<br />村上春樹の文章の巧さ、天才ぶりがわかる本。ぜひ、読んで見てください。
大嫌いな村上春樹の処女作というので、本屋でひやかし半分に立読みをしたら、1行目でやられてしまった。不覚。
<br />「完璧な文章などといったものは存在しない」
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<br />正直なところ、この本で重要なのは最初の数ページ、21歳の僕の回想が始まる前までだと思う。
<br />その数ページに春樹の文についてのスタンスが全て詰まっているように感じる。
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<br />「正直に語ることはひどくむずかしい。僕が正直になろうとすればするほど、正確な言葉は闇の奥深くへ沈みこんでいく。〜それでも僕はこんな風にも考えている。うまくいけばずっと先に、何年か何十年か先に、救済された自分を発見することができるかもしれない、と。」
<br />「僕にとって文章を書くのはひどく苦痛な作業である。一ヶ月かけて一行もかけないこともあれば、三日三晩書き続けた挙句それがみんな見当違いといったこともある」
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<br />余談だけど、デレク・ハートフィールドは実在しないらしい。春樹の創作のようです。
現在の多くの作家にかなりの影響を与えている作家のデビュー作ということで読んでみたのだけれど、正直とらえどころのない本で読み終わってみても果たしておもしろかったのかどうかイマイチわからないが、決してつまらなかったわけではない。つまり三部作を読めと言うことなのだろう。
<br /> 多くの作家の根っこを知りたいのならば読むべき。