今年、精神的にひどくつらい時期に読んだこの本は、僕自身の心を温めてくれました。そこには「どんなことがあっても人生には希望があって、感動があるのだ」ということ。この本を読んだときささくれ立った気持ちがすごく和らぎました。それからはドラマになったDVDも見て、この作品のとりこです。原作もドラマも作品を彩る主人公たちを心から好きになり、自分も作品の中に入って笑い、泣いていました。作品の中にいる…それは読者にとっては本当に天からの贈り物のような時間で、その人自身にとってそういう一冊はとても大切だと思います。僕にとってこの「時生」はそんな一冊になりました。この本にめぐり合えてよかったと心から思います。ありがとうございました。
自分の生命の存在に感謝できない男
<br />と
<br />自分の生命の存在に恩返ししたい男
<br />の
<br />奇妙な友情?冒険ものがたり。
<br />
<br />PS●僕の生命も誰かに見守られてるのかなあ。
<br />生命のつながり、生命の有り難みを、呼び起こす本だ。
<br />勝手にそのつながりを絶っちゃあ、いけないよ。
<br />生命は自分ひとりだけのものじゃない、
<br />連綿と受け継がれていくのだ。…未来へ。
不治の病で死を迎えつつある息子「時生(トキオ)」を前に,父が母に「昔,トキオにあったことがある」と独白します。
<br />時代は20年ほどさかのぼり,若かりし父に,息子「トキオ」が未来から会いに来るところに場面が移り,話が始まる訳です。あとはお楽しみ。ラストの父の一言が秀逸。
<br />プロット,ストーリー,作品のメッセージ,どれを取っても高評価できます。
<br />「涙を流すほどの感動」とはいかないけれども,なんとなくほっとする,気持ちのいい読後感です。
<br />お勧めです。
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