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死の開幕 ( J. ディーヴァー 越前 敏弥 )

本書は、’88年のデビュー作『汚れた街のシンデレラ』からはじまる、ジェフリー・ディーヴァーの<ルーン>3部作の2作目である。’90年にアメリカで発表された作品だが、16年経ってやっと本邦初訳で登場した。 <br /> <br />ルーンは、ニューヨークのある零細映画制作会社でアシスタントとして働く、若い(私の想像では20代前半)女性である。ある8月の暑い日に、彼女はポルノ映画を上映している映画館の爆発事件に遭遇する。好奇心旺盛な彼女は、そこで上映中だった映画の女優をモデルにドキュメンタリー映画を撮ろうと決意する。女優はインタビューを快諾してくれるのだが、今度はその女優が、彼女のプロダクション事務所で爆弾によって殺されてしまう。 <br /> <br />行動的なルーンは、犯人を特定するために、その女優と関係のある男たちを調べ始める。そうして3人の容疑者が浮かび上がり、ルーンはニューヨーク市警爆発物処理班のヒーリー刑事の教えを受けながら、動かぬ証拠を探そうとするのだが・・・。 <br /> <br />別の映画館で爆破事件が起こったり、また別のポルノ女優が殺害されたり、そしてルーン自身も「赤いウィンドブレーカー」の男に追われたかと思うと、自宅であるハウスボートに爆弾がセットされる。ついには真犯人の手にかかり、時限爆弾と一緒に浜辺の小屋に閉じ込められてしまうのだ。危うしルーン! <br /> <br />それやこれやで、予断を許さないストーリー展開が最後の1ページまで続き、読者はハラハラ・ドキドキしながら、いつの間にかルーンを応援している自分に気づくことになる。 <br /> <br />初期の作品とはいえ、さすがはディーヴァー、ツイスティングなプロットは、後のブレイクを彷彿させるものを感じた。 <br />

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