ブームに乗って数々の中学受験本が出版されている最近ですが、この本はその中でも抜群にレベルのうちの高い一冊だと思います。
<br />他の本には、単なる合格までの体験記や、ひどい場合は自慢話がだらだらと書かれていることが多いのですが、この本は、「父と娘の合格までの苦闘」から、さまざまな出来事を冷静に分析して、「合格するための法則」を導き出しているのです。それも、ありがちな通り一遍の安易な結論ではなく、著者の荘司さんが大学受験や司法試験受験のときに利用した数々の勉強法とからめて生まれた法則なので、とても独創的です。と同時にとても普遍的で誰でもできるものなので、この法則に沿って勉強すれば、基本的にどの受験生もある程度以上に力が伸びるのは間違いありません。荘司さんの文章も親切に語りかけてくるようで、とても親しみが持てます。
<br />これでCDがついてこの価格というのはすごく安いと思いますが、出版社は儲かるのでしょうか? などと余計なことを考えてしまうほど、サービス精神でいっぱいの本です。
近年とみに数多く刊行されている中学受験本のうち、ほぼベストの内容と言っていいのが本書だろう。私は本書の旧版も持っているが、内容は一段とブラッシュアップされ、新しいコラムも大幅に加わり、さらにCDまで付いているので、別の本だと思った方がよい。大幅加筆&CD付録で旧版と同じ値段1800円なのだから、著者の姿勢はきわめて良心的である。本書刊行から2ヵ月、小5のわが子にCDを聞かせ、著者の提唱する方法で算数の問題を解かせ続けたところ、見る見るうちに成績が伸びた。著者には大いに感謝したい。これからは子供の苦手な国語の長文問題に本書のやり方で取り組ませてみるつもりだが、これも含めてさまざまな具体的な方法論が書かれているのが本書の圧倒的な強みで、抽象論の多い類書とははっきり異なっている。ご自分の娘さんとの勉強の軌跡も、失敗談も含めてきちんと記録しているのは誠実である。学校の勉強くらいしかしたことのなかった田舎育ちの子が、2年間の試行錯誤を経て御三家に合格するまでのプロセスは、中学受験生の親にとって何よりも貴重な記録であろう。願わくば続編を望む。
昨年、本書とサイトを頼りに娘の勉強方法を変えたところ、四谷の模試の偏差値が58から65に上がった。本書の旧版の発売が10月頃だったので最後の模試だけだったが、結果的にJGに合格できた。下の子のためにCDを聴きたくて新版を購入してみたが、これがあれば歴史の全体像が短時間でつかめる。著者の娘さんは普通の子だったようだが、最終的には四谷模試で総合56位、偏差値72をたたき出している。
<br />本書の勉強法をコツコツ実践していけば、それが可能だと十分理解できた。
<br />後は、忠実に「やること」に尽きる。
<br />下の子は、幸い今のところきちんとやっているので、Sでも一番上にいる。