戯言シリーズで西尾節に魅了された人ならば買わないわけにはいかない作品。あとがきで本人も言っているが、西尾氏の趣味が丸出しでそれがまた面白い。最初から最後まで絶え間なく続くギャグ、そして無数の言葉遊び。まったく、かっこいいですねぇ西尾さん!!
わくわくもするし、文面も西尾維新らしく面白いし、読み終わりの余韻も残すし、エンターテイメントとして、良い作品だと思う。ただ、純粋に内容を楽しみたいという人には、不純物と思える要素が沢山あるかもしれないし、文量の割には、少し内容が薄いか、という気はした。それでも、十分楽しかったし、満足感は得られた。
戯言シリーズが好きな人はお勧め。西尾維新の特徴が良く出た物語です。ただ、悪い方も出てしまっています。それは、キャラの設定ありきで、物語中に過去に触れていない点です。この主人公は忍という吸血鬼に恨まれてもしかたがないことをしたらしいのですが、語られていないため、さっぱり読者に伝わってきません。読者の立場は、結局のところ千石(一番主人公と遠いキャラ)というキャラと同じ立ち位置なのです。ここの所は、戯言シリーズのいーちゃんと同じ。
<br /> もしこの先外伝を出すとして、この過去を語るなら星5つですが、現状では星4つとします。「こよみヴァンプ」は絶対必要な話でした。