「げんしけん」の前に同じアフタヌーンで描いてた「四年生」と「五年生」は痛すぎてなんというか、身につまされるというか、共感どころじゃなかったのでハマりませんでした。
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<br /> で、「げんしけん」。痛さ(イタさにあらず)を微妙に薄めつつ(この作品は陰湿にならないように縛りをかけてたとのこと。特装版コメントより)でもやっぱり痛いとこつくなぁといった感じで。
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<br /> この手のマンガは「いつまでも」が読み手からすると期待するところなんですが、そこをすっぱり切って(とはいえ、書き下ろしがいっぱいですが)、「本編主人公」笹原の卒業で終わらせるところがまず見事。(でも続編でてもノー問題!!)
<br /> そして、なんといっても巻末特別書き下ろし「恋と妄想の追い出しコンパ」。最終コマに「げんしけん/おわり」との記載が。(本編最終話は「55話/おわり」となってます)
<br /> ネタばれするので詳細書かずですが、なんというか…他のレビュアーのみなさんも書かれてることですが、やっぱり斑目と咲ですよ。
<br /> いつもの「会議」的な雰囲気で読むと最終ページのアレがアレで・・・・。読後も妄想はふくらむばかり。
<br /> 「時代のもの」として、今後どう評価されることになるかわかりませんが、現時点ではとりあえず、私の中ではベストです。最高。
ついに完結。
<br />4巻ぐらいまではなんでこの漫画がこんなに評価されてるのか、
<br />どこが面白いのかさっぱり理解できなかったのに・・・。
<br />まさかこんな大好きになるなんて思いませんでした。
<br />(高尚とかじゃなく嗜好の問題で)分からない人には1%も分からないだろうけど、
<br />分かる人にとっては傑作と言えるんじゃないでしょうか。
<br />とにかく評価がはっきり二分する作品だと思います。
<br />主人公だし笹原と荻上さんの話が面白いってのは当然ですが、
<br />やはりこの漫画はなんと言っても斑目ですね。
<br />私には斑目の気持ちが痛いぐらいに分かるし、だから本気で泣きました。
<br />巻末特別書き下ろしで「実は処女」とか言っちゃってるのも
<br />全然引くようなところじゃなくて、あれはむしろ泣くところでしょう。
<br />女性に処女を求めてるとかそういう安易な童貞オタクの発想じゃない。
<br />どこかに少しでもいい、自分の入り込む隙間が、やり直せるチャンスが、
<br />安心できる材料がないか必死に探しながらもがいてる。
<br />それがちょっとズレてたっていいじゃないか。
<br />これはもはやオタクの生態をおもしろがるだけの漫画じゃない。
<br />ダメ男の少しばかり人より遅い成長と、そのせいで間に合わず失ったものを嘆く
<br />悲哀を描いたドラマです。この形で完結させたことに最大級の賛辞を送りたい。
スージーと荻上さんのやり取り、春日部さん達にイジられるクッチー等、いろいろ面白いなと思い読みました。
<br />最終巻だからしみじみとしてしまったり。オタク。友達。そして青春。
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<br />サイレント漫画と言うんでしょうか、台詞や効果音無しのお話もあるんですが、元々空気感を大切に描かれている作品でしたので、
<br />台詞が無くても雰囲気ややり取りが伝わってくる。いいですね、こういうのは。想像が沸く。
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<br />そして、
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<br />・ツンデレだけでなく、ツンテレ(ツンツンしながら照れてる事)全開でもある荻上さん。
<br />笹原君と付き合う様になってから、荻上さんは積極的な性格なのが判明。
<br />ワンテンポやや鈍い笹原君に対して、ツンツンしながら迫る荻上さん。
<br />荻上さんの心中に笹原君が優しく気付いてあげると、荻上さんはツンツンしながら頬を赤らめて照れる。ツン照れ。
<br />笹原君の微妙な鈍さが荻上さんのツンツンっぷりを上手く引き出しているという事か。
<br />この二人はそういう意味でもナイスコンビだなと思いました。
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<br />・今までずっと二次元以外には興味が無いと断言しまくっていた班目君。
<br />自他共に認める二次元オンリーだった班目君が人を好きになっていく変化。
<br />そんな真剣な目付きを見せる班目君はちょっと色っぽいカッコイイ顔立ち。
<br />さぁどうするんだ班目君。これから班目君はどうなっていくんだ。また二次元オンリーに戻るしかないのか。
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<br />各キャラの今後の展開が気になるという気持ちのまま迎えた最終回。続きが見たいなぁ。
<br />短編でもいいのでスピンオフ作品的なものを期待しちゃったりします。