一巻では近未来のこれから現実社会での科学の進歩した結果が表されていると思います。実際に現在、義体やAI、そして脳をPCように操作できるような実験や開発、研究が進められています。それで起こりうる犯罪などについての予想図といった感じでしょうか?…そして、この二巻のテーマはその科学の進歩した先にあるものは?だと思います。現代ではアナログ時代からデジタル時代に移り変りつつありますが、それではデジタル時代の次に来るものはなんでしょうか?アナログ⇒デジタル⇒そして?…自分が考えるに、アナログ⇔デジタルなんだと思います。いくら科学が進歩したところで、人の観念や思想、魂と言ったようなモノはデジタルでは計ることはできません。そういった事を言いたいのではないかと思います。ともかくただの娯楽としてではなく、これから実社会で起こりうる未来の予想図として二巻も読む事をお薦めします。
キャラクターが立っていない。
<br />バトーもサイト−もトグサもフチコマも捨ててしまって、素子も超越者のような性格に変えてしまって、感情や意思の描写がひどく劣化してしまっているのが残念。
<br />このまま進むと全知全能の唯一絶対神みたいなものに行き着いてしまいそうですけど、そんなもの描いても何も面白くないでしょう。
<br />長いこと新作が出ていないが、作者の関心の方向が人の情動へ立ち戻って、また描いてくれることを期待しています。もし神様の方向に行くにしても、ヒンズーの神様とか八百万の神様とかギリシャの神様とか、そういうドロドロしたやつの方に行きましょうよ。
素子が一巻において人形使いと融合し、公安9課を去って4年5ヶ月が経ったお話。主人公・荒巻素子は一巻の主人公・草薙素子とは恐らく別物でしょう。とはいっても完全な別人というわけではなく、あくまで草薙素子の子供(?)という感じです。一巻の最後でバトーに言った、「―私のこども達と会う確立の方が高いと思うけど・・・」の意味ここでやっと分かる。にしても、読みきるのに2時間近くも掛かるとは・・。この世界を理解するのは不可能でしょう、肩も凝るし・・・。話の中のキャラクターは決して説明をしてくれません。それもそのはず、読者はこの世界の区切りのいい一場面を覗き見しているだけなのですから。果てさて、素子のオリジナルは一体何処に??