第5巻は学園祭とその「余熱」をメインに描く。
<br />学園祭を一言で表すならば「真澄ちゃんの仮装」である。
<br />もちろん「のだめのマングース」という意見が多数であることは想像に難くない。
<br />でも、私は真澄ちゃんを指示したいと思う。
<br />なんて具合に妙に意固地なくらい笑いのつぼをヒットされてしまったのであった。
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<br />第5巻のメインは学園祭のようでいて、実はその余熱であったりする。
<br />きらめく才能に触れることで触発されるという正しい感受性のインプット・アウトプットを見ることができる。
<br />「蛍の墓」になるくらい何かに挑戦してみたく思う今日この頃なのである。
堅苦しいクラシック音楽の世界を、決して貶めることなく
<br />笑えるマンガに仕上げた手腕は、高く評価されるべきだろう。
<br />『のだめカンタービレ』成長の第五巻である。
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<br />本巻の二大クライマックスは、
<br />落ちこぼれSオケの楽しい学園祭仮装公演と
<br />師匠シュトレーゼマン&その弟子千秋真一との
<br />本作唯一の共演であろう。特に後者の方は、
<br />ラフマニノフのピアノが聴こえてきそうな傑作シーンである。
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<br />主人公千秋真一とのだめはこの二大公演を経ることで
<br />アーティストとして、そして人間としても成長していく。
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この巻の前半がドラマのLESSON5の半分を形成する。月9的演出である意味越えている。原作にない練習中の千秋を覗くのだめ、あっさりだった原作のピアノ覚醒が着ぐるみ姿の彼女を走らせる事で二人の関係を浮き彫りにさせ、更にロマンティック。こうした解釈は原作の良さが生み出した想像。漫画と映像の違いも悪くない。ドラマは原作への敬意を伝える。私はこれ程素晴らしい漫画の実写化を観た事がない。多分クラシック好きの軽部アナを始めとする制作スタッフの作品に対する愛情が並々ならぬものだからだろう。影響を受けて(私は元々R&B好き)、最近クラシックばかり聴いている。